イムノロック、資金調達成功
2024-04-26 11:00:03
神戸発ベンチャー、イムノロックが4550万円の資金調達に成功!世界初経口がん免疫療法の実現へ
神戸発ベンチャー企業、イムノロックが4550万円の資金調達に成功!世界初経口がん免疫療法実現へ
神戸市に拠点を置く株式会社イムノロックは、大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社(OUVC2号投資事業有限責任組合)を引受先とする第三者割当増資で、4550万円の資金調達を完了したと発表しました。これはシードラウンドBの追加投資であり、2024年4月に完了しています。
イムノロックは、神戸大学発のベンチャー企業として2021年に設立。同社は、独自開発のビフィズス菌を用いた経口ワクチンプラットフォーム技術を強みに、画期的ながん治療薬の開発に挑んでいます。現在、開発中の主力製品は、経口がん治療ワクチン「B440」と新型コロナウイルス予防ワクチン「BCOV332」の2種類です。
特に注目すべきは「B440」です。これは、進行性尿路上皮がん患者を対象とした医師主導治験(第Ⅰ相臨床試験)が、神戸大学、広島大学、浜松医科大学の3施設で2023年1月から実施されており、2025年3月の完了を目指して順調に進捗しています。
B440は、がん免疫療法の新たな可能性を秘めています。非臨床試験では、がん免疫の主役である細胞傷害性T細胞(キラーT細胞)を強力に誘導することが確認され、様々な癌種モデルで抗腫瘍効果が実証されています。さらに、既存のがん免疫療法剤である免疫チェックポイント阻害剤との併用による相乗効果も確認されており、特許も取得しています(特許番号:JP6810877B2、US11666646B2)。
イムノロックの技術革新は、ビフィズス菌の特性に着目した点にあります。従来の経口ワクチンは、腸管免疫系への抗原タンパク質デリバリーに課題がありましたが、同社はビフィズス菌表層に様々な抗原タンパク質を発現させる技術を確立。これにより、革新的な経口ワクチンプラットフォームの開発に成功しました(特許番号:JP5187642B2、US8758760B2、JP5561681B2、US8354113B2)。
B440の作用機序は、経口投与されたワクチンが腸管上皮からパイエル板の樹状細胞に取り込まれ、リンパ節に移動することで、がん細胞を攻撃する細胞傷害性T細胞を誘導するというものです(特許番号:JP677026B2、US10695385B2、04498472)。
今回の資金調達によって、イムノロックはB440の臨床開発を加速させ、世界初となる経口がん免疫療法剤の実現に向け、研究開発体制を強化します。大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社投資部長の魚谷晃氏は、「前回出資以降、順調に臨床試験が進捗していることから、今回の出資を決定した」とコメント。世界初経口がん免疫療法の実現に向け、同社への期待と更なる支援を表明しています。イムノロックの挑戦は、多くの患者にとって朗報となる可能性を秘めています。
会社情報
- 会社名
-
株式会社イムノロック
- 住所
- 兵庫県神戸市中央区楠町7-5-1神戸大学医学研究科研究棟C
- 電話番号
-
078-330-5337