DUNLOPが天然ゴムの持続可能な生産に向けた取り組みを始動
住友ゴム工業(DUNLOP)は、8月7日にタイ・バンコクにおいて、タイ王国天然ゴム公社(RAOT)、フランスの国際農業開発研究センター(CIRAD)、そしてタイのカセサート大学とコンケン大学との共同研究協定を締結しました。このプロジェクトは、天然ゴムの共同研究プラットフォームHRPP(Hevea Research Platform in Partnership)の一環として実施されます。
本研究の焦点は「低頻度タッピングシステム」と呼ばれる手法にあり、これは天然ゴムの樹液(ラテックス)を採取する頻度を減らすことを目的としています。これにより、労働力不足や生産性向上を図ることができ、特にゴム農家にとっての利点が期待されます。
タイのゴム産業が直面する課題
東南アジアでは、天然ゴムの価格変動、気候変動の影響、そして労働力不足といった課題が山積しています。特にタイにおいては、ゴムノキから樹液を採取する労働者の不足が深刻化しており、小規模な農家では高齢化や担い手不足が問題となっています。このような状況下で、低頻度タッピングシステムは労働力の削減と高い生産性を両立する可能性を持っています。
研究の目的と期待
これまでの研究では、3日に1回のタッピングが、従来の2日に1回と比較しても生産性と品質の面で良好な結果を得られていることが示されています。既に2件の学術論文も発表されていますが、さらなる研究が必要とされています。特に、採取の頻度を変えた場合の品質や特性、導入時のコスト、作業負担の変化についての検証が求められています。
そのため、本研究では低頻度タッピングシステムにおける採取頻度の違いが天然ゴムに与える影響や導入に関する社会経済的な要因についても調査し、持続可能な天然ゴムの調達推進に貢献していくことを目指しています。
研究機関の紹介
タイのカセサート大学とコンケン大学はそれぞれ1943年と1966年に設立され、学生数は40,000人と74,500人を超え、多くの学部を有する存在です。両大学の協力により、より詳細な研究が進められることでしょう。
DUNLOPは、企業理念の一環として持続可能な天然ゴム調達を重視し、「生産性向上」と「労働環境改善」の両面で研究開発を行っています。具体的には、組織培養技術を用いたゴムノキ苗の研究も進めており、今後の成果に期待が寄せられています。
まとめと今後の展望
DUNLOPは、持続可能な天然ゴムの調達を通じて、環境問題、労働環境、人権意識を高める企業として成長することを目指しています。今後、この共同研究を通じて得られた技術や知見が新たなビジネスチャンスを生むとともに、業界全体の持続可能性を高めることに貢献することを期待しています。また、DUNLOPのブランドとしての信頼性と価値も、これらの取り組みと並行して強化されていくことでしょう。