書店と読者を結ぶ新しいアプローチ、アプリ『本コレ』が登場
2025年10月23日、約1,500店舗の書店情報を網羅した新たな総合情報アプリ『本コレ』のサービスがスタートしました。この発表会は、出版文化の中心地とされる神保町の出版クラブで行われ、出版業界の目指す未来が熱く語られました。
このプロジェクトは、株式会社Catalyst・Data・Partners(CDP)が中心となり、出版業界の8社が出資しています。CDPの代表取締役社長・田中康正氏は、出版市場の縮小と書店数減少という課題に触れ、アプリ『本コレ』を通じて書店と読者の新たな接点を築くことの重要性を訴えました。アプリは書店の在庫状況や店舗情報をリアルタイムで提供し、ユーザーに新しい読書体験を提供することを目指します。
アプリ『本コレ』の特長と機能
『本コレ』は、書店検索だけでなく、書籍の在庫情報やレビュー、ランキング機能も搭載した“本のポータルアプリ”です。また、CRM機能やデータ分析機能も備え、書店が顧客との関係をいかに深めていけるかをサポートします。2026年度には、1,200店舗以上の書店と連携し、さらなる利便性向上を目指す考えです。
現場からの期待の声
発表会には、さまざまな業界のスペシャリストが集まり、アプリ『本コレ』に期待を寄せていました。三省堂書店の代表取締役社長・亀井崇雄氏は、書店同士の繋がりが新たな機会を生む要素とし、特にTSUTAYAとの連携が各書店の独自性を引き立てると強調しました。また、直木賞作家・今村翔吾氏は、「書店は文化の拠点であり、新たな“発見の場”でもある」とその意義を述べました。
印象的だったのは、カリスマ書店員の花田菜々子氏の発言です。彼女はアプリを通じて新しい繋がりが生まれ、書店の求人と求職者のマッチングが進むことを期待しているとのこと。彼女の視点は、書店にとって常に変化し続ける環境に柔軟に適応する必要があることを示唆しています。
出版文化を活性化する未来のビジョン
CDPの田中社長は、書店と読者をつなぐプラットフォームとして『本コレ』が果たす役割について語り、2028年度には3,000店舗への拡大と、月間ユーザー数300万人を目指す計画も発表しました。彼は、出版不況という厳しい環境を共に乗り越え、文化を支えていく姿勢を強調しました。
今後の『本コレ』が、出版業界の未来をどのように形成していくのか、書店と読者の新しい関係性の構築が期待されます。
結論
『本コレ』は、単なるアプリの枠を超えて、書店同士や読者との新たな交流を育む重要なツールになることが期待されています。これからの展開に注目が集まる中、書店業界の未来を共に見守っていきたいところです。