2025年の企業風土調査から浮かび上がる現代の職場の課題
パーソルキャリア株式会社が運営する『Job総研』が実施した「2025年 企業風土の実態調査」によれば、653人の社会人のうち78.4%が現在の職場に古い風土を感じていることがわかりました。この調査では、古い企業風土の定義やその変化の必要性、企業風土が転職に与える影響などが取り上げられています。今、企業風土の見直しが求められる背景を探ってみましょう。
調査の概要と背景
この調査は、全国の20代から50代の社会人男女を対象に、インターネットを介して実施されました。特に注目したいのは、古い風土の変化が求められる必要性についての意見が半数を超える一方で、変える必要がないと考える意見も49.8%あることです。
古い企業風土の実態
具体的に古いと感じる風土のトップ3は以下の通りです:
1. 「上司からの好感度が評価に影響」(36.4%)、
2. 「仕事と私生活の境界がない」(32.8%)、
3. 「上司に逆らえない」(32.6%)。
これに対して、変えた方が良い風土としては「上司からの好感度が評価に影響」が38.6%で最多であり、次いで「上司に逆らえない」が30.0%という結果が出ました。
世代別に見ると、50代が55.2%が「風土を変えたい」と答えており、特に古い風土に対する抵抗感が強いことが伺えます。
企業風土と転職の関連性
さらに、調査の結果、83.3%が企業風土が転職を考える要素になると答え、実際に転職または転職活動をした人は62.8%に及びました。これは、企業風土がキャリアに与える影響を如実に示しています。
多くの人々が古い企業風土に反対する理由として「前例に固執し効率が悪い」や「時代遅れ感」が挙げられています。特に古い企業に反対の立場を取る人が69.3%にのぼるという結果も見逃せません。
古い風土の変化の可能性
では、古い風土は本当に変えられるのでしょうか?調査によると、43.9%が「変えられると思う」と回答しています。そのために必要な要素としては、「経営陣の刷新」や「評価制度の見直し」が多く挙げられました。たとえば、経営者や管理職が新しい価値観を受け入れ、柔軟に対応することが求められています。言い換えれば、企業風土は企業に属する各個人の価値観と雰囲気の積み重ねによって形作られるため、個々の意識改革が重要だということです。
結論
この調査を通じて清明なことは、今の時代に必要な企業風土は創造性と柔軟性が求められることです。全体の8割が企業風土を転職に影響を与えると考えており、古い企業風土がもたらす不満や課題が浮き彫りになってきました。企業は時代の変化に伴い、社員一人ひとりの意見に耳を傾け、リアルな職場環境を整えることで、企業風土を改善していかなければなりません。『Job総研』は、企業風土についての研究を続け、個が活躍する社会の実現に向けたリアルな情報を発信し続けていくことを強く意識しています。