気候変動に立ち向かう！フェアトレード推進キャンペーンが始動

国内最大規模の気候変動とフェアトレード啓発キャンペーン

令和元年からスタートした「ミリオンアクションキャンペーン2025」が、5月1日に東京都でキックオフイベントを迎えました。このキャンペーンは、日本国内における気候変動対策とフェアトレードのふたつの課題に取り組むため、全国の企業や団体と連携して行われるものです。今年は特に過去最大の「300万アクション」を目指すという意気込みが見られ、全国の参加団体からの活発な協力が期待されています。

キャンペーンには、イオンや小川珈琲、UCCなどの大手企業を含む100社以上が参加しており、食品や小売業におけるフェアトレード商品の購入促進に努めています。それぞれの企業は、イベントの開催や商品販売を通じて、フェアトレードの重要性を広める役割を担っています。フェアトレード月間である5月の間、SNSへの投稿やイベント参加を通じて寄付金を集める仕組みになっており、1アクションが1円として開発途上国への支援に充てられます。

キックオフイベントの様子

キックオフイベントでは、フェアトレード・ラベル・ジャパンの潮崎真惟子事務局長が、気候変動の影響としてカカオやコーヒー豆の価格が高騰している現状を報告しました。最新のフェアトレード市場規模は、前年に比べて2.2%増の215億円に達しており、その内訳はコーヒーが78.2%、カカオが12.2%を占めています。この情報は、参加者にとっても衝撃的であり、フェアトレードの推進が求められる理由がたくさんあることを再確認させました。

また、各企業の取り組みが紹介され、イオンの渡邉祐子氏は、サステナビリティ経営の一環としてフェアトレード商品に力を入れていることを説明しました。新たに開発中の期間限定「カカオトリュフ」のような商品が、消費者の意識にうまく応えているとした点も注目です。さらに、小川珈琲の小川雄次氏も、自社のフェアトレード講習や期間限定メニューについて語り、フェアトレードの重要性を広める姿勢を示しました。

トークセッションと企業向けセミナー

特別ゲストとして招かれたJリーグの辻井隆行さんとセント・フォースの望月理恵さんとのトークセッションも見逃せませんでした。彼らは「ななくなってほしくない未来」について語り、フェアトレードに取り組む重要性とその影響について意見を交わしました。「このアクションが気候変動の問題解決につながる」といった励ましの言葉が、参加者に共感を呼び起こしました。

その後、本イベントの後半では、書籍『売れる「値上げ」』の著者である深井賢一氏によるセミナーが行われました。セミナーでは、ソーシャルプロダクトの販売戦略に関する実践的なノウハウが語られ、参加者は、それぞれの企業における販売戦略を考える重要なきっかけを得ることができました。

地域から広がるフェアトレード

また、口コミや地域活動によって広がるフェアトレードの事例も紹介されました。鎌倉市との連携で開発された「フェアトレードかまくらブレンド」は、パッケージデザインを市民が投票で決定するという、参加型のプロジェクトとして注目されています。これによって、ローカライズされた取り組みが地域社会の支持を得て、フェアトレードの理解を深めています。さらに、国分グループ本社は、チョコレート市場に新しい風を吹き込む商品展開を行っており、これもまた参加者にとっては新たな視点を提供するものでした。

フェアトレードの重要性

フェアトレードは、ただの貿易手法ではありません。それは人々の生活を向上させるための重要な手段であり、持続可能な未来を実現するための基盤でもあります。国連のSDGsに基づく目標を達成するためには、企業と消費者の果たす役割は非常に大きいです。このキャンペーンを通じて、私たち一人ひとりがフェアトレードを選択することの大切さを再認識し、市場の拡大に寄与していくことが求められます。

これからも、ミリオンアクションキャンペーンは多くの企業や団体と手を取り合いながら、持続可能な社会を目指して進んでいきます。皆さんもぜひ、この機会を活用して、フェアトレードの商品を手に取ってみてはいかがでしょうか。私たちの小さなアクションが、未来への大きな一歩につながるかもしれません。