2024年10代の金銭感覚を読み解く:推し活と貯蓄意識の現状
SMBCコンシューマーファイナンスの新たな調査によると、10代の間での金銭感覚や支出傾向に変化が見られます。2024年7月に実施されたこの調査では、1,000名の学生に対してさまざまな質問が行われ、彼らの収入や貯蓄、消費行動が明らかになりました。
10代と推し活
この調査の中で特に注目されるのが、10代で推し活を行っている割合です。全体の45.2%にあたる若者が、自分の好きなアイドルやキャラクターを支援する活動に参加しています。特に、女性は61.8%と高い数字を記録し、推し活が彼女たちの生活の一部となっていることが分かります。
推し活にかける費用は、ひと月の平均で5,973円。特に高校生は4,840円、大学生等では7,439円と、年齢による差も顕著です。推し活での支出の内訳を見ると、作品やグッズの購入が圧倒的に多く、次いでコラボ商品やイベント参加にお金を使う傾向にあります。
10代の収入状況
10代の収入状況も調査されており、高校生は平均10,477円の収入を得ており、大学生は40,826円と、やはり年齢差が指摘されます。お小遣いの問題も重要で、高校生のお小遣いは月3,764円、大学生は10,341円です。多くの学生が今の収入だけで生活を賄うことに苦労しているようです。
貯蓄意識の向上
気になるのは貯蓄意識の変化です。調査によると、10代の57.2%が現在の貯蓄状況に不安を感じていると回答しました。このうち、大学生等の女性に限るとその割合は65.4%まで上昇します。逆に貯蓄を実施している高校生は47.3%、大学生は57.5%で、驚くべきことに高校生の預貯金は前回調査から74,101円も増加して240,140円に達しています。
賢い消費と節約術
また、消費行動についても調査は進んでいます。高校生のひと月の平均支出は4,679円、大学生等では21,287円となり、特に高校生が前回調査より2,444円も減少している点は注目です。これは、将来に対する不安感が影響していると考えられます。
節約術に関しては、貯めたポイントを利用することが最も多く、次に外食を控える、学割を使うという回答が続きます。消費のあり方が見直されているのが伺えます。
お金をかけたいもの
10代がお金をかけたいと思うものは男女で異なり、男性はゲームや外食に関心が高く、女性は推し活やファッションがトップとなっています。特に推し活は、彼女たちの生活にとって重要な位置を占めており、今後もこの傾向は続くでしょう。
まとめ
この調査から見えてくるのは、10代の金銭感覚が従来の考え方から大きく変化しているということです。推し活を通じてお金の使い方や貯蓄意識が高まっており、社会環境の影響を受けながら、自分の経済をしっかりと考えている若者たちの姿が浮き彫りになっています。これからの10代の消費行動がどのように変化していくのか、引き続き注目していきたいところです。