日本材料技研株式会社は、東京工業大学との間で独占的なライセンス契約を締結し、注目の材料である負熱膨張材のサンプル販売を開始しました。この契約により、日本材料技研は東京工業大学が開発した革新的な材料を商業化する権利を得ました。
負熱膨張材料は、ペロブスカイト構造を持つ酸化物系セラミックスで、特に温度変化に敏感です。この材料が示す驚異的な特徴は、室温近傍での温度上昇が1度当たり100万分の187という非常に低い線熱膨張係数です。これにより、温度変化に伴う影響を軽減することが可能になるため、特に高温環境での使用が期待されています。さらに、ニッケルと鉄の組成比を調整することで、負熱膨張が発生する温度域を自在にコントロールできることも、技術的な特長です。
日本材料技研では、2018年から東京工業大学との共同研究を進めてきました。この研究では、本材料の工業生産技術の開発に向けた様々な試験を行い、その進展を経て、今回のライセンス契約を締結しました。これにより、負熱膨張材料の商業化へと一歩近づいたのです。特に、5G(第5世代移動通信システム)機器においては、熱膨張の抑制が重要な課題となっているため、この新材料の活用が期待されます。日本材料技研は、この特許技術を用いた製品展開を迅速に進めていく計画です。
日本材料技研株式会社は、2015年に設立されたファブレス型のスタートアップ企業で、機能材料を専門としています。国内の大学や研究機関が開発した技術をライセンスアウトし、商業化を推進することで日本の素材産業に革新をもたらすことを目指しています。今後、未活用の技術を活かし、さまざまな産業での応用が期待されています。
このように、東京工業大学との提携が加速させる負熱膨張材料の商業化は、日本の素材産業に新しい風をもたらすでしょう。マテリアルイノベーションを通じて、未来のテクノロジーを支える重要な役割を果たすことは間違いありません。日本材料技研は、これからも技術の商業化を通じて社会に貢献し続けることでしょう。
【日本材料技研株式会社詳細】
- - 設立: 2015年8月
- - 資本金: 1億円(資本準備金を含む)
- - 代表者: 浦田 興優
- - 事業内容: 機能材料事業
- - 公式サイト: https://www.jmtc.co.jp