小野薬品工業の「HOPE」が誇るエッセンス
2021年にスタートした小野薬品工業株式会社の社内ビジネスコンテスト「HOPE」が、2024年度グッドデザイン賞を受賞しました。この賞は日本デザイン振興会の主催によるもので、デザインの質を評価するために設けられています。今回の受賞は、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念の下で行われた「HOPE」の取り組みが高く評価された結果です。
HOPEの利点
「HOPE」は、小野薬品工業のイノベーションを加速させるためのプログラムの一部です。社員が自らの想いや問題意識に基づいて新規事業を創出することを目指しています。特に、参加者は患者やその家族といったステークホルダーの視点を深く理解するための活動に従事しました。このプロセスの中で、デザインリサーチが重要な役割を果たし、企業の理念を具体化するための大きな助けとなりました。
ゆめみとの協力
このプロジェクトでは、デザインリサーチの手法を提供する株式会社ゆめみの協力が不可欠でした。彼らの専門知識を活用し、プロトタイピングやユーザーインタビューを行うことで、学生たちの解像度の高い顧客理解が促進されました。参加者たちは、実際の顧客の声を体験し、自らの視点を広げる貴重な機会を得たと口を揃えています。
「HOPEのインタビュー活動を通し、患者やその家族の視点を学ぶことができ、自分の業務にも役立てられるようになった」という感想もあり、実際のビジネスに生かされる実践的なプログラムであったことが伺えます。
評価のポイント
審査委員は、HOPEが単なるビジネスコンテストにとどまらず、社員の価値観や理念の深化を促進し、経営課題に対処する力を養った点を評価しました。また、募ったアイデアは、事業可能性の議論を重ねる中で、形になっていったことも重要なポイントでした。高評価を得た理由は、社内新規事業の立ち上げという難しい課題を解決することに成功したからです。
今後の展望
小野薬品工業の経営戦略本部からは、今後も未解決の課題に直面する患者やその家族に寄り添い、彼らの期待に応えるために「HOPE」を進化させていく意欲が表明されています。ゆめみの役員も、医療分野における社会的意義を強調し、今後の活動の重要性を訴えています。
グッドデザイン賞について
グッドデザイン賞は、1957年から続く日本のデザイン表彰制度であり、さまざまな分野のデザインを対象としています。これまでに50,000件以上の受賞があり、その内訳は製品、建築、ソフトウェア、サービスなど多岐にわたります。この賞は、デザインの質を高めるために重要な役割を果たしており、今後も多くの企業がこの栄誉を目指して様々な挑戦を行うことでしょう。