JR西日本ITソリューションズがDatadogを導入
2026年6月3日、JR西日本ITソリューションズ(以下、J-WITS)は、Datadogを採用し、鉄道・観光情報のポータルサイト「JRおでかけネット」を含む重要なサービスの運用基盤を高度化したことを発表しました。この取り組みにより、公共インフラサービスの安定運用がさらに強化され、コストの最適化とサービスレベルの向上に成功しています。
J-WITSの役割と背景
J-WITSは、JR西日本グループのIT専門集団として、鉄道の安全な輸送やグループ各社の事業を支えるシステムの設計・開発を行っています。彼らは、インフラ基盤の整備やシステムのモダナイズを進めており、デジタル化に向けた基盤としてDatadogを導入しました。
J-WITSでカスタマーソリューション本部のITビジネスソリューション部に所属する関藤正宏氏は、「既存のセルフホスト型監視ソフトウェアの保守サービスが終了し、課題を解決するためにDatadogを導入しました」と述べています。彼は導入前の課題として、監視スクリプトの属人化や誤検知の発生、監視結果の共有が困難であったことを挙げました。
Datadogの導入による変化
2024年2月からDatadogによる外形監視が開始されると、監視フローの作成や共有が容易になり、対応可能なメンバーが増えるなどの成果が生まれました。監視設定の属人化が解消され、誤検知の調査が迅速になり、障害対応もスムーズになりました。
関藤氏は、DatadogのGUIベースの利点に触れ、「スクリプトを書き慣れていないメンバーでも使いやすく、検証時の評価も高かった」と説明します。また、Datadogはユーザー数ではなく処理件数に応じた課金であるため、コスト面でも有利でした。
AWSへの移行計画とDatadogの役割
JR西日本では、鉄道・観光情報のポータルサイト「JRおでかけネット」のシステムをAWSに移行する計画が進行中です。この計画に伴い、Datadogを使用してAWS環境の監視も行うことが決定されました。2025年9月には新システムが稼働し、クラウド監視が始まります。
長谷川陽之氏は、APM(アプリケーション性能監視)を活用して運用データの可視化を実現し、サービス全体の状況を迅速に把握できるようになったと述べています。さらに、アクセス集中時も遅延や障害を抑えることができ、サービス運用が安定しました。
今後の展望とDatadogの役割
今後、JR西日本はDatadogのAIエージェント「Bits AI SRE」を活用して障害対応の高速化と運用効率の削減を目指します。また、監視の自動化にも取り組むことで、より高度なシステム管理を実現していく計画です。情報交換会を定期的に開催し、Datadogとの連携を強化していくことも重要な方針です。
Datadogの日本におけるソリューション・エンジニアリングディレクターである守屋賢一氏は、JR西日本の運行情報の重要性とリアルタイム性について言及し、Datadogが提供するシステム管理の簡素化と迅速な障害対応の意義を強調しています。これからも、公共サービスの安定性向上に貢献するため、AIを通じた自動化を進めていく方針です。