Z世代の消費行動の変化について
昨今の消費環境では、Z世代を中心に新たなトレンドが浮かび上がってきており、その変化は特に決済手段と消費行動に現れています。今回は、ReBear合同会社と株式会社Oshicocoが共同で行った調査結果をもとに、Z世代の「コト消費」と呼ばれる新たな消費習慣に焦点を当ててみます。
調査の背景
近年、決済手段のキャッシュレス化が急速に進み、多くの企業がこの市場に参入しています。しかし、キャッシュレス決済を選ぶ理由は単に便利さだけではなく、Z世代の価値観にも大きく影響を受けています。
特に「推し活消費」と呼ばれる、好きな趣味やアーティストにお金を使う行動が顕著です。Oshicocoの調査によると、推し活にかける月間の平均消費額は約4万円にのぼります。
Z世代の消費行動の変化
今回の調査は、そんなZ世代の消費行動の変化を明らかにするために行われました。調査には、18歳から29歳の日本在住の男女111人が参加し、現金使用頻度やキャッシュレス決済の選択理由について探りました。
キャッシュレス決済の利用状況
調査結果からは、Z世代においては現金よりもキャッシュレス決済を利用する割合が高いことがわかりました。回答者の約35.5%が「週数回現金を使用」と回答していますが、全体の79.4%が現金以外の手段を使っているとされています。
現金以外の決済手段を選ぶ理由としては、「ポイント還元やキャッシュバックが魅力」との声が多く、約3分の1の回答者が支持しています。また、使用が簡単である点も重視されています。
現金を使う理由
驚くべきことに、回答者の53.5%が月間支出の中で現金が占める割合が30%未満であると答えています。このことからも、現金使用の主な理由が使いすぎ防止や現金対応の店舗の多さにあることがうかがえます。
高額消費とコト消費の傾向
消費行動では、「旅行やレジャー」と「電化製品」が特に人気の高額消費項目として挙げられました。ここで注目すべきは「推し活消費」の増加です。特に、旅行やイベント参加が新たな価値として重視されています。
このようなコト消費は、自身の生活を豊かにし、経験を得るためのものであり、Z世代はその重要性を強く感じています。「体験型消費」に対する興味は高く、今後もその傾向は続くと予測されます。
また、インタビューに参加したYさん(21歳女性)は、「普段使うカバンが小さいので現金を持ち歩きたくない」というファッション優先の意見を述べており、支出の選択が生活様式と強く結びついていることがわかります。
『推し活』とコト消費の関連性
推し活とコト消費は非常に密接な関係があります。遠征活動や関連イベントにかける支出は増加しており、全国規模で展開されるイベントが活発化しています。これは、コロナ禍による行動制限の反動とも言えるでしょう。特に、SNSを通じて「推し活」の成果をシェアし合うことが一般化しており、動画共有サイトなどではその様子を見ることができます。
参与者の中には、推し活によって得た経験を生活の一部として楽しむ声もあり、様々な調査結果がこの現象を裏付けています。
マーケティング戦略の重要性
調査結果によれば、Z世代へのアプローチは、コト消費や推し活といった新たな消費様式を意識した戦略が不可欠です。
1つ目のアプローチは、体験型の消費を強化することです。新たな経験を提供するイベントやキャンペーンは、Z世代の心をつかむ可能性があります。
2つ目は、SNSを使ったマーケティングです。特に、インフルエンサーの影響力を生かし、自社の製品やサービスに推しが関連した際のプロモーションは非常に効果的です。弛まぬ情報提供と信頼の構築が求められます。
まとめ
この調査を通じて、Z世代の消費行動の変化と、決済手段の利用状況が明らかになりました。今後も、Z世代をターゲットにした詳細な調査が求められる時代と言えるでしょう。是非、調査データを参考にしてください。