組織開発者勅使川原真衣の新著が登場
2026年8月25日、組織開発の第一人者である勅使川原真衣さんの新しい著書『ハラスメント最終報告』が、株式会社晶文社から出版される。この本は、ハラスメント問題に対する新たなアプローチを提案するもので、多様化した新しい現実に応える一冊となっている。
ハラスメントの再定義
勅使川原さんは、本書においてハラスメントをただの個別の問題として捉えるのではなく、その根本にある社会構造を考察し、体系的かつ包括的に分析することの重要性を強調している。「ハラスメントという感情や傷つきが問題となることには合意が形成されつつある。しかし、それが個人の行動や性格に帰結する二項対立的な発想では何も変わらない」と述べ、これまでの「自己責任論」といった旧来の見方からの脱却を促す。
新たな視点の必要性
近年、ハラスメントに関する事件が多発し、社会的にもこの問題は喫緊の課題である。しかし、従来のハラスメント防止教育や個人の意識改革に重点を置く対策では、個々のスキルや感情の改善がハラスメント根絶には限界があることが明らかになっている。勅使川原さんは、「個人モデル」から「社会モデル」への視点の転換が今求められているとし、組織が持つ構造や文化にアプローチすることによって初めて、真の解決が見込まれるのだと訴える。
具体例を交えながら
本書では、具体的な事例を通じて、ハラスメントの背後にある構造的要因を明らかにし、それらをどのように解消するかに焦点を当てている。勅使川原さんは、経営者や管理職、現場の社員など、組織のあらゆるレベルでの実践が重要であると説いており、各々がどのように行動すれば良いのかに方法論を詳述している。
目次の概要
本書は以下の構成で進められる。
- - 序章: ハラスメント飽和社会を読む
- - 第1章: ハラスメントの現在地
- - 第2章: 「個人モデル」でハラスメントを見ることはなぜ不毛なのか?
- - 第3章: 「社会モデル」で見るハラスメント
- - 第4章: 関係論的ハラスメント防止策とは何か
- - 第5章: 終章 組織がつづくということ
- - おわりに
著者情報
勅使川原真衣さんは横浜市出身。東京大学大学院教育学研究科を修了し、外資系コンサルティングファームを経て、2017年に独立してからは組織開発を専門にしている。彼女は、個人の能力にとらわれずに「関係性」に注目することで、より良い組織作りを目指している。また、乳がんと闘いながらも活発に執筆活動を行っている。
書籍情報
- - 書名: ハラスメント最終報告
- - 著者: 勅使川原真衣
- - 定価: 1,980円(本体1,800円)
- - 判型: 四六判並製
- - 頁数: 240頁
- - ISBN: 978-4-7949-8065-6
- - 発売日: 2026年8月25日
- - 発行: 株式会社晶文社
本書は、企業や団体がハラスメント問題に対して真剣に向き合うための一助となることを目指しており、その内容は多くの人々に影響を与えることが期待されている。