J.D. パワーが発表した2024年ITソリューションプロバイダー顧客満足度調査の概要
株式会社J.D. パワー ジャパン(東京都港区)は、2024年のITソリューションプロバイダーに関する顧客満足度調査結果を発表しました。この調査は年に一度行われ、情報システムの導入・構築に関する評価を通じて、企業の満足度向上に貢献しています。
生成AIの導入状況
今回の調査では、企業における生成AIの導入状況が注目されました。全体の17%の企業が「特定の業務で本格活用」または「試験的に導入」していることが明らかになり、その傾向は企業規模に応じて高まることがわかりました。特に大企業では、同様の状況が35%に達しました。これは、既に生成AIを活用している企業が多いことを示しています。
具体的な利用用途としては、「原稿・文案作成」が最も多く、53%の企業が挙げています。続いて「情報収集・企画立案」が44%、そして「翻訳・要約・議事録作成」が39%という結果です。一方、未導入の企業では「データ集計・分析」が最も高い関心を持たれており、その後に「情報収集・企画立案」や「原稿・文案作成」が続いています。
DX推進への関心の高まり
特に注目すべきは、DX推進やAI技術の活用に関する企業の取り組み意識の高まりです。「DX推進」を今後の課題として挙げた企業は42%に達し、前年比で増加しています。AIやビッグデータの活用を挙げる企業も17%となり、こちらも増加傾向にあります。これらの改善点を提案するITソリューションプロバイダーに対する満足度は、前回から10ポイント以上向上した結果も見られ、企業のデジタル化への関心はさらに高まっていることが伺えます。
顧客満足度ランキング
今回の顧客満足度調査において、最も評価の高かった企業は富士フイルムビジネスイノベーションで、651ポイントを獲得しました。2位にはリコージャパン(646ポイント)、3位には大塚商会(641ポイント)がランクインしました。特に富士フイルムは、営業対応やシステム品質などで高い評価を得ています。
調査概要と今後の展望
この調査は27回目の実施となり、全国3,319社からの回答を集めています。顧客満足度に影響を与える様々なファクターが考慮され、1,000ポイント満点で評価されています。今後も、デジタル化や生成AIの導入が進む中で、企業への提案やソリューションの提供が求められ、業界全体の成長が期待されます。
J.D. パワーは、消費者インサイトを提供する国際的なマーケティングリサーチ会社であり、企業戦略の指針として信頼されています。この調査結果は、今後のIT企業の方向性や顧客ニーズを理解するうえで重要なデータと言えるでしょう。