スサビノリ由来の新成分「スサビノリGG」の効果
三重県伊勢市に本社を置く株式会社LINKのグループ会社である御木本製薬が、スサビノリから抽出した成分「ガラクトシルグリセロール(GG)」の皮膚への有用性に関する研究を進めています。近年、これまで知られていなかったスサビノリGGの特性が明らかになり、皮膚常在菌のバランスを整える効果が新たに確認されました。
皮膚常在菌とその重要性
皮膚は数多くの常在菌によって覆われています。この常在菌は、皮膚の健康を維持するために非常に重要な役割を果たしています。善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れると、炎症や皮膚のトラブルが発生することがあります。御木本製薬の研究より、スサビノリGGは善玉菌である表皮ブドウ球菌の増殖を促進し、悪玉菌である黄色ブドウ球菌の増殖を抑制することがわかりました。
スサビノリGGのバランス改善作用
研究の結果、スサビノリGGを用いた実験で、皮膚常在菌のバランスが改善されることが確認されました。特に表皮ブドウ球菌が優勢となることにより、皮膚のバリア機能が強化される可能性が示されています。皮膚のバリア機能が向上すると、外部からの刺激に対する抵抗力が高まり、肌荒れや乾燥といったトラブルを防ぐ効果が期待されます。
細胞外小胞の役割
また、この研究では皮膚常在菌が分泌する細胞外小胞(EVs)にも注目しています。これらの小胞は、細胞間のコミュニケーションに関与し、皮膚の健康を調整する重要な役割を果たすことが知られています。表皮ブドウ球菌のEVsは、善玉菌の増殖を助け、皮膚環境を整える作用がありますが、逆に悪玉菌である黄色ブドウ球菌のEVsは、炎症を引き起こす懸念があります。
今後の展望
この研究成果を受けて、株式会社LINKはスサビノリGGを配合した製品の訴求強化と今後の新製品開発に注力する方針です。スサビノリGGが元々持っているバリア機能強化や常在菌バランス改善の効果を活かしたスキンケア製品の登場が待たれます。
結論
スサビノリ由来のガラクトシルグリセロールは、皮膚常在菌のバランスを改善するという新たな可能性を示しました。今後の研究により、さらに多くの皮膚への効果が発見されることが期待されます。御木本製薬の全貌が明らかになるにつれ、化粧品業界にも新たな風を吹き込むことでしょう。