三菱マテリアルが手掛ける現場主導のBCP強化
2026年2月18日、リスクマネジメントコンサルティングを専門とするニュートン・コンサルティング株式会社が、三菱マテリアルによる「BCP訓練・演習支援サービス」導入事例を発表しました。日本の産業界を支える三菱マテリアルは、危機的状況における事業の迅速な復旧が必須のため、BCP(事業継続計画)の深化に取り組んでいます。
三菱マテリアルのBCPの現状
歴史ある1871年創業の三菱マテリアルは、非鉄金属製品の製造からリサイクルまで手広く展開しており、国内外で高いシェアを誇る企業です。廃基板のリサイクルにおいては世界トップの処理能力を持つなど、安定した供給力が必要とされています。
BCPの整備は進めてはいたものの、過去の災害や新型コロナウイルスの影響を考慮する中で、想定外の事態に対する備えが不足しているという課題も抱えていました。特に、未曽有の事象に関する想定や明文化された優先対応が欠乏していたため、金属事業カンパニーおよび高機能製品カンパニーでのBCP強化に踏み切りました。
三宝製作所の例
中でも、三宝製作所は他社では代替不可能な銅加工品を多く生産しているため、特にBCPの実効性を向上させる必要がありました。そこで、三宝製作所をモデルケースとしてBCPの策定と訓練が行われることとなったのです。
プロジェクトは、まず高機能製品カンパニーの責任者とのトップインタビューから始まりました。優先すべき製品や行動基準を把握し、BCPの基本方針書をまとめる作業に着手しました。
従業員の意識向上
三菱マテリアルが重視したのは、従業員自身がBCPを作成し、訓練を通じてその実効性を確認するサイクルを構築することでした。過去の災害経験から、従業員が当事者意識を持つことが、実効性のあるBCPを作る鍵であると認識されています。
実際には、有事の際に優先される製品とその復旧目標を決定。製造部門と間接部門の管理者たちが二度のワークショップで議論を交わし、実際の対策を検討。当初の結果を反映させた上で、南海トラフ地震を想定した訓練を実施しました。そして、訓練で明らかになった課題に対して現在も解決策を模索しています。
他拠点へも展開
このプロジェクトから得た知見は、他の拠点でもBCP策定や訓練に生かされています。危機管理体制を強化する動きが広がっており、三菱マテリアルのBCPは他の企業にとっても参考となるモデルケースとなる予感があます。
まとめ
三菱マテリアルの事例は、現場主導のBCP構築によって、企業がどのように迅速かつ効果的にリスクに対処できるかの一つの指針となることでしょう。BCPの実効性向上は、企業の競争力を保つ上でも不可欠です。共有された知見は、今後の安全で持続可能な社会に向けた礎になることを期待しています。