認知症スクリーニング法
2024-11-21 14:04:39

慶応医大が認知症スクリーニング法を確立 その意義と今後の展望

慶応医大による新たな認知症スクリーニング法の確立



最近、慶應義塾大学病院メモリーセンターの伊東大介特任教授を中心に、認知症のスクリーニングを効率よく行う新たな手法が発表されました。この研究は、認知症患者の臨床的な徴候である“head-turning sign(HTS)”と、新たに開発された一連の質問票「Neucop-Q」に基づくものです。この質問票は、病識(意識)、楽しみ、ニュースという三つの要素から成り立っており、簡易に施行できることが大きな特徴です。

この手法は、アルツハイマー病の脳内病理を予測するために活用され、施設内で簡便に実施可能な診察法として実用化が期待されています。それにより、アルツハイマー病の治療薬の適応に合致する認知症や軽度認知障害を迅速に発見し、治療への早期介入が可能になると考えられています。

研究の背景と目的



認知症は、社会問題としても日増しに注目されていますが、実際の診断は複雑でコストがかかることが多く、早期発見が難しいのが現状です。このような中、慶應義塾大学の研究チームは、簡便でありながら効果的な認知症スクリーニング法の開発に挑むことを決断しました。

今回の研究では、毎日の生活の中で実際に観察される行動や、簡単な質問から、脳内の病理状態を推測できるという可能性を示しました。このアプローチは、医療機関だけでなく、地域の福祉施設などでも活用できる可能性があり、認知症患者の早期発見の武器となるでしょう。

研究成果の意義



研究チームが発表した論文は、2024年11月21日に国際医学雑誌『Alzheimer's Research & Therapy』に掲載され、広く注目を集めています。この研究の意義は、医療現場でのスクリーニングの効率化だけでなく、認知症診断の確実性を高め、患者の生活向上及びその家族へのサポート能力を飛躍的に向上させることにあります。

特に、認知症の初期症状からの介入がその後の症状進行を遅らせたり、生活の質の向上につながることは、多くの研究でも証明されています。この方式が普及すれば、認知症に対する理解や支援体制が地域全体での深化に結びつくかもしれません。

今後の展望



今後、慶應義塾大学の研究チームは、このスクリーニング法のさらなる実用化と効果検証を目指します。また、この方法が他の認知症の種類や進行度にも有効かどうかを研究することで、より包括的なアプローチが期待されています。

認知症は決して他人事ではなく、私たち全員に関わる問題となりつつあります。これからの研究の進展に大いに期待が寄せられるところです。


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