微細水粒子「AIR(アイル)」が肌治療に新たな選択肢を提供
近年、シミやシワといった肌悩みを抱える人が増える中、画期的な治療法として注目を集めているのが、アイシンが開発した微細水粒子「AIR(アイル)」です。この技術は、レーザーや光治療との組み合わせによってその効果を発揮し、ダウンタイムを軽減することが報告されています。
「AIR(アイル)」は、特にシミやシワなどの肌悩みに対する新しい解決策として、9月1日に開催された第42回日本美容皮膚科学会総会・学術大会でも取り上げられ、専門家たちがその実績を発表しました。院長の奥謙太郎先生によれば、「AIR(アイル)」はレーザー治療や高周波治療の後に適用することで、治療後の肌の回復を早め、保湿効果も持続することが臨床試験で確認されたとのことです。この水粒子は、皮膚内部に刺激を与えずに施術を行うことができるため、患者にとっても安心の選択肢となります。
AIR(アイル)の仕組みと特性
「AIR(アイル)」は、約1.4nmという非常に小さい水粒子で構成されており、従来の施術法に比べて肌の奥深くまで浸透しやすい特性を持っています。ブースター的な役割を果たしながら、施術後の肌の保湿や回復を促進する要素も兼ね備えているため、この治療法は今後ますます普及する可能性があります。奥院長は、この技術は「光の世界におけるレーザーと水の世界におけるAIRは同じ立ち位置にある」とし、その科学的な根拠と効果を力説しています。
患者の負担を軽減する利点
今後の展望については、治療前にプレトリートメントとして「AIR(アイル)」を用いることで、さらに治療効果を高めることも視野に入れているとのことです。奥院長は、患者の負担を軽減できる新しい治療法としての可能性が大いにあると考えています。
一方で、M&Mスキンケアクリニックの今野みどり院長も「AIR(アイル)」を使った試験を行っており、シミやシワ、たるみに対する改善効果を確認しています。今野院長によると、30名の患者対象の臨床試験では、「AIR(アイル)」を用いた導入治療によって、トランサミンや中性ビタミンC群でシミが改善した事例も多く、特に肝斑やバリア機能が低下した肌への効果が期待されています。
さまざまな肌悩みに対応する治療法
また、今野院長は、「AIR(アイル)」が導入する薬剤により、肌の摩擦で悪化することが多い肝斑やシミへの効果も期待できると述べています。医療現場では、患者さん一人ひとりの肌の状態を考慮に入れ、個別の対策を講じることが求められています。これにより、肌に刺激を与えることなく、スムーズな治療を提供することが可能になります。
さらに、今野院長は「AIR(アイル)」の活用方法として、フォトフェイシャルとの併用や、他の治療法との組み合わせで効果を確認しています。シミ治療においても研究が進んでおり、AIR(アイル)の適用が持続的な改善に寄与する可能性がある、と述べています。
このように、「AIR(アイル)」は美容医療の新たな革新として位置づけられ、多くの患者に希望をもたらす技術として期待されています。今後のさらなる研究と臨床の成果が楽しみです。