新たなビジネスの流れを生むM&A提携
このたび、株式会社Relicと株式会社ウィルゲートが業務提携を結び、スタートアップと大企業のM&Aを促進する取り組みを始めることを発表しました。
提携の背景
近年、日本国内では、スタートアップのEXIT手段として従来のIPOに加え、M&Aを選ぶ企業が増えています。特に、スモールIPOの増加や上場基準の厳格化により、M&Aがスタートアップの重要な選択肢として浮上してきました。その一方で、日本のM&A市場は依然として後進的であり、大企業によるスタートアップの買収が他国に比べて少ない現状があります。また、大企業は既存事業とのシナジーを重視し、リスク回避志向が強く、新規事業の創出が難しくなるという課題に直面しています。
このような市場の状況を背景に、Relicとウィルゲートは、それぞれの強みを生かして、M&Aを活性化するための提携を結びました。両社の協力によって、より多くのスタートアップに対しM&Aの機会を提供し、ビジネスの新しい流れを生み出そうとしています。
両社の強み
ウィルゲートは、「ウィルゲートM&A」というサービスを提供しており、着手金無料の完全成功報酬制度を採用しています。このビジネスモデルは、これまでの約5年間で83件の成約を達成した実績を持ち、特にIT・ベンチャー領域において高い評価を受けています。ウィルゲートは、17,400社を超える買い手企業ネットワークと7,900社以上の取引実績を活かし、迅速な成約をサポートします。
一方、Relicは新規事業開発支援の国内シェアでトップの実績を持ち、これまでに5,000社以上と関わってきた「事業共創カンパニー」です。このリーダーシップを活かし、買収後の事業成長支援や戦略立案の体制を整えています。大企業向けにM&Aを起点とした事業創出の支援を行うため、両社が一体となって活動を展開します。
提携内容
本提携では、以下のような施策が行われる予定です。
- - 大企業向けに「スタートアップM&A×新規事業創出支援」の共同展開
- - スタートアップのEXITや成長支援を強化
- - 共催セミナーや情報発信による市場への浸透
これらの施策は、日本のM&A市場の活性化と競争力の強化を目指しています。また、大企業の新規事業創出の加速や、スタートアップの持続的成長にも寄与することが期待されています。
今後の展望
両社は「M&Aを買収で終わらせない」というビジョンを持ち、共創型の取り組みを進めることで、日本経済やスタートアップエコシステムの発展にも寄与したいと考えています。この提携によって、新たなビジネス創出の流れを確立し、M&A後の成長をサポートするための仕組みを整えていく予定です。
ウィルゲートの吉岡諒専務取締役は、「M&A後に大手企業とベンチャーが持つ資本力や技術力が相まって、成長が実現するケースが増えている」と述べ、今回の提携の重要性を強調しました。また、Relicの北嶋貴朗代表取締役も、「本提携を通じ、大企業の新規事業開発の選択肢としてスタートアップM&Aが一層重要になると信じています」と語っています。
まとめ
両社の提携によって、M&Aの新たな形が実現することが期待されており、今後の展開に大いに注目が集まります。スタートアップの成長を支援し、日本のビジネスシーンに革新をもたらすこの取り組みが、どのような成果を生むのか、目が離せません。