プロロジス、日本初の再エネ証書「I-REC」を活用
物流不動産のリーダーであるプロロジスが、再生可能エネルギーに関連する国際的な証書「I-REC」を活用した自己託送事業を開始しました。これにより、国際基準に則った再エネ利用の証明が可能になります。
I-RECとは何か?
I-RECは「International Renewable Energy Certificate」の略称で、オランダに拠点を置くI-REC規格財団が策定した再生可能エネルギーに関する証書です。60カ国以上で発行されており、多くの国際環境報告基準に基づいて評価されています。I-RECは、発電所の情報や発電量が詳細に記録されており、改ざん不可能な唯一性と追跡性を持っています。
自己託送事業の詳細
今回プロロジスが運営する「プロロジスパーク猪名川1」から発電される再生可能電力は、京都府にある「プロロジスパーク京田辺」に自己託送されます。この過程で得られた環境価値はI-RECとして認証され、その一部はカシオ計算機が購入することが決まっています。これにより、再エネの使用促進とともに、カシオの環境目標達成にも寄与します。
再エネ証書活用の背景
プロロジスは、運営する物流施設での太陽光発電を積極的に利用し、グリーン電力を取り入れています。近年の脱炭素化の進展に伴い、国内の非化石証書の利用に加え、国際基準に対応するI-RECの導入が求められてきました。これによって、国内外の環境基準に合わせた透明性の高い証書が提供されます。
目指すネットゼロの取り組み
プロロジスは2040年までに温室効果ガス排出のネットゼロを目指しています。その一環として、電力のグリーン化や入居企業の環境負荷軽減を支援する「プロロジス・グリーン・ソリューション」を推進中です。2023年には新たにエネルギー事業室を東京に設立し、再生可能エネルギーの活用をさらに強化する計画です。
SCSKと三井住友銀行の連携
今回の取り組みは、SCSKが運営するEneTrackプラットフォームを使用し、三井住友銀行のサポートを受けています。このコラボレーションにより、日本初の自己託送におけるI-RECの発行が実現しました。SCSKは、サステナビリティ経営の実現に向けて、EneTrackを通じて他の企業にもI-RECの利用を促していきます。
まとめ
プロロジスが進めるI-RECの活用は、国内外の環境目標に適応した革新的な取り組みです。温室効果ガスのネットゼロに向けたプロロジスの努力は、業界全体に良い影響を与えることでしょう。今後もこのような取り組みを通じて、より持続可能な社会の実現に貢献していくことが期待されます。