三菱電機、ノルウェーのALT Heis社を完全子会社化
2023年11月29日、三菱電機株式会社は、スウェーデンのMotum社を通じ、ノルウェーの昇降機事業会社ALT Heis社の全株式を取得したことを発表しました。この買収は、三菱電機のビルシステム事業のさらなる拡大を目的としており、特に欧州市場における保守事業の強化に焦点を当てています。
背景と目的
三菱電機は、近年の事業成長戦略として、昇降機の保守・リニューアル需要が増加している欧州市場に目を向けています。老朽化した昇降機の増加や、環境への配慮が高まる中で、この分野の需要が見込まれるため、今回のALT Heis社買収を実現しました。この取り組みは、2023年に行われたUNIHEIS社の買収に続くものです。
ALT Heis社はノルウェーのベルゲン市に本社を構え、2019年から昇降機の保守・リニューアル事業を中心に活動しています。今回の買収により、ノルウェー国内での主要地域への網羅的な進出を図り、保守事業の拡大を目指します。
事業拡大の期待と関係者のコメント
ALT Heis社のCEOであるTomas Knutsen氏は、「顧客満足を最優先に、高品質なサービスを提供することが我々の使命です。Motum社との連携により、事業基盤の強化はもちろん、一段と高いサービス品質の実現が見込めます」とコメントしています。
Motum社のCEO、Fredrik Eliasson氏も「ALT Heis社の強みである高品質なサービスと顧客対応が我々の戦略と合致しており、今回の買収により、その強化が進むことでノルウェーの市場でさらなる価値提供が可能になると考えています」と語っています。
三菱電機ビルシステム事業本部の織田巌社長は、「欧州事業の強化を進める中で、ALT Heis社の買収は非常に重要な施策です。これを機にノルウェーにおける事業基盤を確固たるものとし、持続的な成長を目指します」との意気込みを示しています。
ALT Heis社の位置づけと将来の展望
ノルウェーは、北欧の中でも昇降機の需要が急速に成長している地域であり、特にオスロに続くベルゲン市での保守事業は期待がかかります。この成長市場での需要拡大に対応するため、三菱電機は一貫したサポート体制を整備していく考えです。
今後、三菱電機はALT Heis社を含む昇降機関連事業のさらなる拡大を推進し、持続的な成長を実現していく方針です。ALT Heis社の技術やサービスは、三菱電機のビルシステム事業全体の強化に寄与すると期待されています。
三菱電機グループのビジョン
三菱電機グループは、創業以来100年以上にわたり、社会システムや電力、宇宙システムなど多岐にわたる事業を展開してきました。今後も、持続可能な社会の実現に向けて技術革新と創造力を駆使し、新たな価値を提供し続ける所存です。
この買収によって、三菱電機はノルウェーおよび欧州市場における存在感をさらに高め、昇降機事業の保守やリニューアルにおけるリーダーシップを確立していくでしょう。