Polimill社が発表した行政AX専門AI「洛索」
Polimill株式会社は、設立5周年を機に新たな専門AI「都市計画・建築・建設AI(愛称:洛索)」のリリースを発表しました。このAIは、2026年4月から全国の自治体が無償で利用できるプラットフォーム「QommonsAI」上で展開されます。洛索は、世界中に存在する膨大な学術知を「社会課題」という新しい基準で再編成し、行政の意思決定に貢献することを目的としています。
学術知の再編成の必要性
これまでの学問分類は、教育機関の論理に基づいており、特定の学問分野に分類されることが一般的でした。しかし、現実の社会課題、例えば「子どもの貧困」に対しては、多様な分野の知見を集約する必要があります。現行の分類体系は、各専門分野に分断され、相互参照が難しいため、学際的なアプローチが求められていました。
日本には1,700以上の自治体があり、行政職員は日々様々な政策判断を下していますが、彼らが参照する学術知は、依然として機械が理解できる形で整理されていません。この「知と実務の断絶」を解消することが、Polimillが掲げる「学術知のコモンズ」構想の出発点です。
洛索の役割
「洛索」は、Polimillが提唱する「学術知のコモンズ」構想を実現する重要な一歩となります。具体的には、学術論文や法令、行政文書を社会課題に基づいて整理し、RAG(Retrieval-Augmented Generation)技術を活用して知識を統合します。これにより、行政職員は簡単に必要な情報を検索し、正確な対話を行うことが可能になります。
学知の4層構造
「洛索」は、以下の4層から構成されています:
1.
検索コーパス:学術論文や法令を社会課題に基づいて分類したナレッジベース。
2.
構造化ナレッジ:法令間の相互参照関係を体系的に整理し、関連知識を結びつけます。
3.
学習用データセット:専門家によってキュレーションされた解説や事例集をAIモデルに供給します。
4.
評価ベンチマーク:行政AIの回答精度を検証するためのデータセット。
洛索開発の背景
洛索の開発は、主に京都府内の15の自治体から寄せられた要望に応じて生まれました。都市計画や建築行政に携わる職員からは、●根拠探しと●条例の読み替えに関する課題が指摘されており、これに答える形で「洛索」が設計されています。特に、複雑な法令の解釈を容易にすることで、職員の作業負担を軽減することを目指しています。
結果としての社会的価値
「洛索」は、根拠が明示された情報を迅速に提供する能力を有しています。これにより、法令の漏れや手戻りを防止し、職員の業務効率が向上します。また、住民対応や政策設計に必要な時間を増やすことが可能となります。
結論
「洛索」はただのAIプロダクトではなく、Polimill社が長年追求してきた理念を具体化したものです。将来的には社会福祉や持続可能性、医療、教育など、さまざまな分野へも対応を拡大し、行政改革を加速することが期待されます。公的サービスを新たな次元へと引き上げるためのツールとして、「洛索」は重要な役割を果たすでしょう。