スキルアップNeXtが実現した自動車事故報告書分析エージェントのMVP
昨今、多くの業界でデジタルトランスフォーメーション(DX)が進行していますが、株式会社スキルアップNeXt(以下、スキルアップNeXt)が日本郵船株式会社(以下、日本郵船)において行った取り組みは、その一例として注目に値します。スキルアップNeXtは、Microsoft Copilot Studioを活用し、わずか2ヶ月で自動車事故報告書を分析するためのAIエージェントを開発しました。本記事では、その背景、具体的な支援内容、成果について詳細にご紹介いたします。
背景と課題
日本郵船の自動車事業統轄グループには、約1,000件の過去の自動車事故報告書がSharePoint Listに蓄積されていました。しかし、このデータの有効活用にはいくつかの障害が存在しました。
データの属人化と活用の難しさ
過去の事故データは、検索性や操作性の問題から十分に集計や分析に利用されていませんでした。また、全てのファイルを手作業で確認する必要があったため、ミスが発生しやすく、知識が特定の人に依存する「属人化」のリスクもありました。
社内開発の壁
さらに、自社でCopilot Studioを使用したテストを行っていたものの、標準機能のままでは必要な精度を達成することができませんでした。このため、スキルアップNeXtがその支援を行うことになったのです。
2ヶ月でのMVP開発
スキルアップNeXtは、日本郵船が自走体制を確立するために、以下の支援内容を約2ヶ月にわたり行いました。
適切なアーキテクチャの選定
Copilot Studio、Power Automate、AI Builder、Office Scriptsを組み合わせたアプローチを採用しました。これにより、データのフォーマットのばらつきや添付ファイルが読めない制約を解消し、Pythonを用いてデータ前処理を実施しました。非構造化データを効果的に統合する手法を構築しました。
組織の変革を促進
プロジェクトはツールの開発に留まらず、複数の部署を巻き込む形でアイデアソンを開催し、組織のチェンジマネジメントも支援しました。これにより、組織全体での新たなユースケースの創出が促されました。
得られた成果
成果としては以下のようなものがありました。
業務効率の向上
従来、報告資料作成に1〜2時間を要していた業務が、30分程度に短縮される見込みです。また、自然言語での質問によって集計結果を自動で可視化する仕組みが作られ、業務の迅速化が進みました。
DXの推進意識の高まり
このプロジェクトによって、現場からも他業務へのAI活用の相談が寄せられるなど、自発的なDX推進の機運が高まりました。特に、「AI Readyなデータ設計」が組織全体での共通認識として重要視されるようになりました。
今後の展開
スキルアップNeXtは、今回のプロジェクトを他部署にも横展開することで、さらに広範なAI活用を目指します。また、集計結果を自動で報告資料に生成する機能の追加も検討されています。
AIネイティブ組織へ
各部署のデータ環境を向上させ、最終的には全社員が自律的にAIを活用できる「自己解決型組織」、及び「AIネイティブ組織」への変革を進めていく方針です。これは、組織全体での持続的な成長を促進し、企業の競争力を高めるために必要不可欠です。
結論
日本郵船の事例は、AIを活用した業務の効率化がもたらす利点を示す非常に良い例です。スキルアップNeXtの取り組みを通じて、他企業にとっても参考になるモデルが示されており、今後の発展が楽しみです。AIを中核にした新しい時代のビジネス環境の構築が、一日でも早く進むことを期待します。