オリヅルセラピューティクスとペプチグロースの協業
2023年10月、オリヅルセラピューティクスがペプチグロースとの共同開発契約を発表しました。この契約は、再生医療における革新的な成長因子代替ペプチドの開発を目指すものです。
オリヅルセラピューティクスは、iPS細胞由来の再生医療技術に注力しており、心筋細胞や膵島細胞を活用した製品の研究開発を進めています。彼らのビジョンは「科学の無限の力で世界により良い健康への希望をもたらす」ことで、患者に細胞医療を届けるための様々な事業に取り組んでいます。なお、再生医療の可能性を広げるために、他の企業や大学との協業を行っています。
一方、ペプチグロースは、ユニークなペプチドディスカバリー技術を駆使しており、特に再生医療や細胞治療の分野における課題を解決するための成長因子代替ペプチドの開発に注力しています。高コストや品質のバラつき、物質安定性などの問題に取り組むことで、再生医療業界の拡大を目指しています。
共同開発の内容
本契約の下、ペプチグロースは独自の技術で生成したペプチド候補をオリヅルセラピューティクスに供給します。提供された候補から有望なものを選定し、それをさらに最適化することで、生理活性や化学的安定性、溶解性などの向上を図ります。最終的には、従来の成長因子と同等の機能を持つ画期的な化学合成ペプチドを共同で開発する予定です。
このような新しいアプローチを採用することで、製造コストの削減が見込まれ、さらに製造ロット間の品質のムラも解消されることが期待されています。これにより、オリヅルセラピューティクスは経済合理性を高め、生産性の向上を図ることが可能になります。
企業の見解
協業に対する期待は両社の代表者からも表明されています。オリヅルセラピューティクスの野中健史社長は、「再生医療の普及を目指す今回の協業を大変嬉しく思います。実用化に向けて大きな前進ができるとともに、再生医療業界にも広く恩恵をもたらすことができる」と語ります。
一方、ペプチグロースの杉本二朗社長も「オリヅルセラピューティクスと共同で革新をもたらすことができることを光栄に思います。日本発の技術が世界で広く活用されるよう努力したい」と期待を寄せました。
企業の概要
オリヅルセラピューティクス
- - 設立年月:2021年4月
- - 所在地:神奈川県藤沢市湘南ヘルスイノベーションパーク
- - 事業内容:iPS細胞関連技術を用いた再生医療製品の開発
ペプチグロース
- - 設立年月:2020年4月
- - 所在地:東京都千代田区
- - 事業内容:再生医療における成長因子・サイトカインの課題解決を目指す特殊ペプチドの開発
この協業を通じて、再生医療の未来に期待がかかります。特に、日本が誇る科学技術がグローバルな市場でどのように影響を与えていくか、注目が集まることでしょう。