奄美大島の企業を支援する新しい人事サービス「あまみの人事部」が始動

奄美大島の労働市場は、地域特有の問題を抱えています。人手不足は特に目立ち、企業は新たな労働力の確保に苦心しています。「あまみの人事部」は、そうした地域の人材課題に対して包括的な解決策を提供するために設立されました。合同会社KAZAMIが中心となり、奄美市の行政や商工団体と連携して展開するこの新サービスは、企業の人事関連業務を支援することに特化しています。

設立の背景

奄美地域は慢性的な人手不足に見舞われており、その原因は多岐にわたります。具体的には、求人の応募数が少なく、特に島外からの人材確保が困難です。また、観光業や農業の繁忙期にはフレキシブルな人材の確保が必要ですが、これにも難しさがあります。さらに定着率の低さが問題視されており、魅力的な職場をつくるための人事制度の整備が遅れています。こうした現状を受けて、「あまみの人事部」は経営者や人事担当者が直面する課題の解決を図っていくことを目指しています。

具体的なサポート内容

この新サービスの肝は、採用から育成、定着までを一貫してサポートする「社外人事部」として機能することです。以下に主な特徴を紹介します。

1. 奄美地域に特化した人材戦略
地域の特性を十分に踏まえた上で、企業の経営課題を明らかにし、採用と育成を通じた「人を活かす経営」を実現します。

2. デジタルプラットフォームの活用
- 複業マッチングサービス「リトリモ」を利用して、奄美での活躍を望む外部人材をスムーズに確保します。
- スキマバイトによる季節需要の人材も柔軟に獲得でき、地域特性を活かした労働力の最適化を進めます。

3. 多様な支援メニューの提供
- 採用に関しては戦略立案から面接代行、組織運営支援には労務効率化やコンプライアンス対応も含まれます。
- 健康経営に特化したサポートも行い、生産性向上を狙います。加えて、奄美市の助成金を活用して事業者の負担を軽減する施策も用意されています。

連携体制と今後の展望

「あまみの人事部」は、地域の企業が持続可能な成長を遂げるために、多方面の団体と連携を進めています。奄美市商工政策課や奄美大島商工会議所など、地域のニーズを的確に把握し、適切な支援を提供する体制を整えています。さらに、この事業は経済産業省の補助金にも採択され、成功を収めれば奄美大島全域への展開を見込んでいます。