昭和100年に見る「お見合い」と劣化する恋愛観の変遷

昭和100年を迎える恋愛観の変遷

2025年に「昭和100年」を迎えるにあたり、マッチングアプリの先駆けとなる『Omiai』の利用が広まっています。かつて「お見合い」が主流であった昭和から、現代のマッチングアプリを通じた恋愛模様には、意外な共通点や変化が見受けられます。この特集では、昭和から令和までの恋愛観の変遷について、コラムニスト石原壮一郎氏の解説を交えながら深掘りしていきます。

昭和時代の「お見合い」

昭和元年から始まったこの時代は、国策としてのお見合いが広がり、個人の自由な恋愛は限定的でした。この時代には、家族や仲人が介入し、慎重にパートナーが選ばれていました。恋愛に対する価値観も、当時の社会情勢や家族の意向に大きく左右されていたのです。

石原氏によれば、戦中から戦後、結婚は「家族や社会のため」という意識が強く、「産めよ増やせよ国の為」というフレーズが有名です。結婚は個人の自由よりも、社会的な義務とされていました。

高度経済成長期の変化

1950年代から70年代にかけての高度経済成長は、恋愛観にも変化をもたらしました。この時期、お見合いが主流であったにも関わらず、恋愛結婚の割合が増加し始めました。高まる経済成長と共に、社会制度として「お見合い」が必要視され続け、多くの人が自由な恋愛を羨望するようになりました。

デートは、友人や職場の先輩からの口コミをもとに行われ、映画や喫茶店が人気のデートスポットとなりました。このように、友人間の交流や地域ごとのつながりが恋愛の場を形成していたのです。

恋愛至上主義のバブル期

1980年代から90年代初頭にかけて、バブル経済に沸く日本社会は、恋愛の自由が一層華やかになりました。合コンやナンパといった新たな恋愛スタイルが登場し、多様な出会いの場が生まれました。特にナンパは、日常の一部として受け入れられ、多くの学生や若者が積極的に恋愛を楽しむようになりました。

この年代のテレビドラマや映画は、恋愛の憧れを広める要因となり、デートプランにはそれらの影響が色濃く反映されました。トレンディドラマに登場するおしゃれなレストランやスポットがデートのトレンドを生み出し、クルマが恋愛の重要な道具として位置づけられるなど、恋愛文化の進化が見られました。

2000年代から現在の女性自立とデートスタイル

2000年以降、女性の社会進出が進むことで、恋愛観や結婚観も大きく変化しました。男女平等が強調され、価値観や相性の一致が重視されるようになりました。デートにおいてもインターネットの普及が重要な役割を果たし、情報収集の方法が大きく変わりました。

最近では、映画館での鑑賞よりも自宅で楽しむことが普及し、喫茶店は「カフェ」として人々の集まる場に進化しました。この変化はライフスタイルの変化を反映しており、デートの楽しみ方も時代によって変わっていることがうかがえます。

未来の「恋愛オプション時代」

現在は、リモートワークの普及や他職場恋愛のハードルが上がる中、マッチングアプリやSNSを通じた多様な出会いが一般化しています。特に『Omiai』のようなマッチングアプリは、個人の価値観や趣味を重視した出会い方を提案し、2024年には婚姻相手の出会い方として広く浸透する予測が立てられています。

もはや昭和時代と同じような「お見合い」という形からは一線を画し、時代に即した新しい恋愛の形として、多くのカップルに支持されています。

まとめ

この100年の恋愛観の変遷は、社会の変化や価値観の変容、そしてテクノロジーの進化によって、恋愛の形が大きく変わることを示しています。もちろん、結婚への価値観は変わったものの、楽しさを共有するデートのスタイルに関しては、時代を超えた共通点が存在しているのが興味深いですね。これからも『Omiai』はその名を引き継ぎながら、進化を続けていきます。