若年層の節約意識が高まる中での物価高騰の影響に迫る
日本生活協同組合連合会(以下、日本生協連)は、2024年5月14日から5月19日の間に、組合員を対象に「節約と値上げ」に関する意識調査を実施しました。この調査には6,536件の回答が集まり、若年層を中心に節約意識の高まりが見受けられました。
物価の高騰が続く現在、経済の不安定さが多くの人々に影響を与えていることは明らかです。調査結果によると、全体の約94%の回答者が日常的に節約を意識しているとし、その理由については約60%が「モノやサービスが値上がりしているから」と回答しています。他にも「将来の生活に備えて貯蓄するため」が53.3%、「不況・景気への不安がある」が36.1%と続いており、若年層の約76.8%が「ふだんの食事」での節約を実施していると明かしました。
若年層の独自の節約戦略
20代、30代の若年層は「時短」を意識した買い物行動を取る傾向が強く、回答者の約5割が「多少高くても食品を買う理由」として「時短できる」と答えました。特に、20代での意識が顕著に増加しており、効率性を重視する姿勢が反映されています。それに加え、食材選びの基準としては、「おいしい」商品が71.3%、「国産品」が57.7%、「添加物不使用」が42.0%と続き、価格だけでなく品質重視の消費行動が見えてきます。
食費の節約方法と意識の変化
調査では、食費の節約方法についても尋ねられました。最も多く選ばれたのは「セール(特価)のときに買う」という回答で、77.0%がこれを選択しています。世代によって好まれる方法に差が見られ、若年層は「安く買える購入先で買う」を選ぶ傾向が強く、シニア世代は「必要なもの以外買わないようにする」といった慎重なアプローチが目立ちました。
また、食料品購入時の魅力として「コストパフォーマンスが良い(価格に対する品質が良い)」が57.8%、次いで「グラム・個数あたりの価格の安さ」が49.5%とされており、特に若年層はここに敏感です。衣食住の基本とも言える食費の管理に対する意識が高まっていることが伺えます。
今後の展望
将来的な節約意識について聞いたところ、約6割の人が「食費は今と同程度節約したい」と回答しました。中でも20代は「今まで以上に節約したい」とする回答が39.7%に上り、景気回復への期待が薄い中で、さらなる節約を志向する様子が読み取れます。これは、物価高等に対する根強い不安を反映していると言えるでしょう。
日本生協連のこの調査は、現代の若者がどのように節約に取り組んでいるのか、その方法や意識の変化を示す重要なデータとして注目されます。今後も食費の節約意識が強まる中で、私たちがどのように賢く買い物をしていくかが問われる時代に入っています。