M&A支援機関協会の体制変更と新たな取り組み
一般社団法人M&A支援機関協会は、2025年6月18日の理事会で重要な体制変更を決定しました。この変更には、代表理事の異動と新たに設立された分科会の発足が含まれています。また、業界の透明性向上を目指し、株式譲渡契約書のサンプルを2種類公開することも発表されました。
代表理事の異動とその意図
新たに代表理事に就任した三宅卓氏(株式会社日本M&Aセンター 代表取締役会長)は、「M&A業界は現在、後継者問題や生産年齢人口の減少といった重大な課題に直面しています。M&Aは日本経済にとって最も重要な手段であり、その健全な発展が求められています」と述べています。前任の荒井邦彦氏は、在任期間中にM&A支援機関協会の名称変更や業界のルールの普及に努めてきたと感謝の意を表しました。
新たな分科会の設立
体制変更に伴い、協会は「広報分科会」「情報セキュリティ分科会」「法務分科会」「総務人事分科会」の4つの専門分科会を設立しました。これにより、各分野における専門知識を活用し、協会の機能をより強化することを目指しています。特に情報セキュリティや法務分野の充実は、M&Aの適正化に貢献すると期待されています。
業界の透明性向上に向けた契約サンプルの公開
昨今のM&A業界では、不適切な事業者による問題が多発しています。これを受けて、協会では不適切な譲り受け側取引を防止するために、株式譲渡契約書のサンプルを公開しました。このサンプル契約書は、M&A支援機関が抱える契約内容の不均一性を解消し、業界全体の役務品質向上に寄与することを目的としています。
中小企業経営者への注意喚起
特に中小企業の経営者に向けて、M&Aを検討する際には特定事業者リストの利用や当協会の自主規制ルールの遵守が推奨されています。これにより、不適切な取引から自身を守ることができます。また、M&Aに関する問題が発生した際には、専用の苦情相談窓口が設けられており、迅速な対応が可能です。
これからの展望
M&A支援機関協会は、今後も業界の健全化に尽力し、適切なM&Aの推進に貢献していく意向です。多くの企業の経営者が抱える後継者問題や経済成長のためにも、協会の取り組みには期待が寄せられています。M&Aの重要性が増す中で、このような取り組みが日本の経済に与える影響は計り知れません。
詳細な情報については、M&A支援機関協会の公式ウェブサイトをご覧ください。
M&A支援機関協会