ローカル5G活用によるTV生中継の成功
2025年11月23日、NTT株式会社とNTT東日本、テレビ埼玉が共同で、埼玉県のNACK5スタジアム大宮において、ローカル5Gを活用した高画質・低遅延のスポーツ中継の実証実験を実施しました。これは、明治安田J2リーグ第37節、RB大宮アルディージャ対徳島ヴォルティスの試合を対象に行われたものです。この試みは、スタジアム内でローカル5Gの実用性を確認し、映像制作における新たな可能性を広げるものとなりました。
背景
近年、スタジアムや大施設においては、デジタル技術を通じたユーザー体験の向上が求められています。しかし、映像制作の現場では、人手不足や業務効率化の必要性が課題となっています。そこで、ローカル5Gの導入が映像制作の現場においてどのような効果をもたらすかを検証することが目的とされました。
実施内容
スタジアム内にはFLARE SYSTEMSのシステムを用いてローカル5Gのインフラが整備され、ケーブルレスカメラを活用した映像撮影が行われました。この取り組みで、これまでの有線設備に比べて映像制作の効率が大幅に向上し、リアルタイムでのTV生中継が実現しました。以下に具体的な内容を紹介します。
- - スタジアム内にローカル5G基地局を設置
- - ケーブルレスカメラを使用した映像撮影
- - 撮影した映像を中継車へ速やかに伝送
- - テレビ埼玉による生中継として放送
特徴
この実証実験は、Jリーグ公式戦という舞台でローカル5Gを活用した初の生中継でした。高画質かつ低遅延の映像伝送により、安定した質の高い中継が可能となっています。また、ケーブル配置作業の低減により、準備時間の短縮と人員最適化も達成されました。
各社の役割
このプロジェクトには各企業が特定の役割を果たしました。
- - NTT: プロジェクト全体のコーディネート及び映像技術の支援
- - NTT東日本: 実証の企画運営、ローカル5Gシステムの技術選定
- - テレビ埼玉: 映像の撮影、制作及び生中継の放送
- - FLARE SYSTEMS: ローカル5Gシステムの設計、構築、運用
今後の展望
将来的には、ローカル5Gを活用したケーブルレス化によって、従来のケーブル制約があったエリアでも自由なカメラワークが可能となります。この技術により、観客にとってより臨場感のある映像体験を実現し、スポーツやエンタメの新たな魅力を引き出すことが期待されています。さらに、デジタルトランスフォーメーション(DX)ソリューションを他の競技やスタジアムにも展開し、スポーツ界全体でのデジタル革新を進めていく方針です。
お問い合わせ先
本件に関する問い合わせは、NTT東日本のビジネスイノベーション本部先進事業推進部、先端技術部門までご連絡ください。
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