東京アーティザンインテリジェンス、JR東日本との協業が始まる
神奈川県横浜市のTokyo Artisan Intelligence(以下TAI)は、JR東日本スタートアップ株式会社が主催する「STARTUP ON DEMAND」に見事選ばれました。この企画は、鉄道業界のニーズに応じて最適なソリューションを提供するスタートアップ企業を募集する新たな試みです。TAIは、自社開発のAIコンピューティングプラットフォーム「TAI SEASIDE-R6」を基に、様々なサービスを提案しています。このプラットフォームが、どのようにして鉄道業務の効率化を促進するのか、今後の展開が期待されます。
## JR東日本スタートアップとの共創の歴史
TAIは、2023年春に行われた「JR東日本スタートアッププログラム」においても採択を受け、2024年4月には鉄道業務の効率化やコスト削減を目指したAIソリューションを導入するための資本業務提携を結びました。
具体的には、TAIの技術により、JR東日本秋田支社では災害監視の自動化が進められ、監視業務の時間削減が実現。さらに、ユニオン建設では在庫管理の自動化によって棚卸しコストが大幅に削減されています。こうした成果は、鉄道業界の社会インフラ維持に寄与する重要なステップとなっております。
TAIのAIソリューションの特徴と実績
2024年11月に行われた「JR EAST STARTUP DAY」では、TAIが開発した「TAI SEASIDE-R6」を中心に、JR東日本と他業種で進めているデジタルトランスフォーメーション(DX)事例を披露しました。このプラットフォームは、エッジAIに適しており、さまざまなカメラと連携することで、鉄道事業における安定した運用とコスト削減に貢献しています。
展示ブースでは、鉄道事業向けのAIソリューションの実演や具体的な事例紹介が行われ、参加者は厳しい鉄道安全要件にどのように応えながら、PoC(概念実証)で得た知見を活用するかを知ることができました。これにより、TAIは鉄道業界に限らず、さまざまな産業のDX推進にも寄与していくことが期待されています。
「STARTUP ON DEMAND」とは何か?
「STARTUP ON DEMAND」は、JR東日本グループの各社が抱える課題を発信し、それに対応する優れたアイディアや技術を持つスタートアップ企業とマッチングさせる企画です。この仕組みにより、JR東日本は新しい技術やアイディアを取り入れ、業務の改善に向けたスタートアップとの共創を実現しています。過去には、オンラインイベント「STARTUP PITCH」も10回開催され、多くの事業共創が生まれてきました。この企画がさらに進化し、スタートアップ企業との連携がより強化されることが期待されています。
Tokyo Artisan Intelligenceの概要
TAIは、2020年3月に設立されたベンチャー企業で、東北大学の技術を活用したエッジAIの開発を行っています。企業理念には「AI技術で人類の発展に貢献する」を掲げ、深層学習アルゴリズムの研究開発やAIエンジニアの育成にも力を入れています。今後も、JR東日本との協業を通じて、AIの社会実装を加速させ、さまざまな社会課題の解決に貢献していくことでしょう。