ニフコが提供する熱中症予防対策システム実証実験を開始
株式会社ニフコは、一般企業向けの新たな熱中症予防対策システムの実証実験を、愛知県豊田市の名古屋工場および取引先企業7社で始めました。このプロジェクトは、昨今の気候変動に伴う高温化が職場環境に与える影響を受けて、職場での熱中症対策の強化を目指しています。
改正労働安全衛生規則に応じた取り組み
2025年6月1日から施行される改正労働安全衛生規則に基づき、特に気温や湿度が高い環境では企業に対して熱中症の重篤化を防ぐための対策が義務付けられています。これには、体制の整備や手順の作成、関係者への周知などが含まれます。ニフコが開発したシステムは、その義務をサポートするために設計されています。
システムの特長と機能
新しい熱中症予防対策システムは、作業環境の詳細な可視化を可能にし、職場での安全管理を強化します。具体的な機能としては、エリアごとの温度、湿度、WBGT(暑さ指数)をモニタリングし、規定値を超えた場合には管理者にアラートを送信します。また、作業者個別に温湿度とWBGT値を測定できるデバイスを使用し、高精度なデータが取得可能です。これにより、所有している機器の温湿度データは過去のデータとともに集積され、分析が行えます。
さらに、日々のチェックリストが自動で作成される機能も搭載されており、事業者はこれを利用して日常的な安全管理を効率化できます。
教育現場への導入実績
ニフコの熱中症予防対策システムは、これまでも神奈川県横須賀市内の教育機関で導入され、子どもたちの健康・安全を守るために利用されてきました。新たな企業向けのシステムは、学校向けのシステムで実現した環境の見える化に加え、作業者別のデータをも見える化することで、さらなる安全を実現しています。
将来的な展望
本システムは2025年10月頃まで実証実験を行い、その結果をもとに検証・評価を行った後、2026年の春頃には一般販売を予定しています。ニフコは「小さな気づきと技術をつなぎ、心地よい生活と持続可能な社会を創造する」という理念のもと、今後も社会課題に真摯に向き合っています。
実証実験の進展に期待が寄せられる中、ニフコの取り組みは職場環境の改善を通じて、より安全で快適な労働環境作りに貢献することでしょう。