ABB、日本通運、NECネッツエスアイの戦略的協業
日本国内において、ABB株式会社、日本通運株式会社、さらにNECネッツエスアイ株式会社の3社が、電気設備工事に関する戦略的な協業を始めることが発表されました。この協業は、日本国内の大規模施設に特化しており、協力してABB製の受変電設備を設計・輸送・据え付けることを目的としています。
国内施設の増加と電力需要の高まり
近年、データ使用量の増加やクラウドサービスの普及に伴い、日本国内におけるデータセンターなどの大規模施設の需要が急増しています。また、為替や地政学的リスクも影響し、多くの工場が国内回帰の流れを見せています。このような背景の中、これらの大規模施設では電力消費が増加し、受変電設備のコストやスペース、運用に関する課題が浮き彫りになってきました。このニーズに応えるために、ABB、日本通運、NECネッツエスアイの3社は戦略的な協業を展開することにしました。
受変電設備の一貫した供給
今回の協業は、ABBが提供するモジュール式の受変電設備を通じて、コスト削減と省スペース、さらに現地での作業効率化を実現します。具体的には、設計から輸送、現場での据付配線までを一貫して行うことで、電力設備に関する人手不足の課題解決に寄与します。ABB製の設備は、工場出荷時に統合されるため、現地での設置や配線作業が軽減され、プロジェクトの遅延やコスト超過のリスクを低減することができます。加えて、環境への配慮も忘れず、持続可能な製品提供を意識しています。
各社の役割分担
ABB
ABBは国際電気標準会議(IEC)に準拠した製品を提供し、特に産業施設やデータセンター向けのスイッチギアにおいて高いシェアを誇ります。世界中で蓄積したノウハウを基に、日本国内でも信頼性の高い製品を提供していく方針です。
日本通運
ABB製品の取り扱い実績が豊富である日本通運は、製品特性に応じた安全で効率的な輸送や保管を行います。高度な商品知識を持つスタッフのもと、据付作業まで一貫した質の高いサービスを提供する体制を整えています。
NECネッツエスアイ
NECネッツエスアイは、電気・通信建設の豊富な実績を背景に、設計やケーブル敷設、さらにABB製品との適切な接続を手掛けます。将来的にはABB製品の運用・保守に関するサービスも提供し、顧客の安定した設備運用をサポートしていく予定です。
さらなるプロジェクト獲得を目指して
この協業は、すでに国内の半導体工場で協力した実績があり、今後さらにプロジェクトを拡大することが見込まれています。ABB社製品を広く普及させることによって、日本国内の大規模施設が直面する電気設備の様々な課題を解決し、2027年までに15件以上のプロジェクト獲得を目指す方針です。
各社の紹介
ABB株式会社
- - 所在地:東京都品川区
- - 代表者:ロイック・ペコンドン・ラクロワ
- - 会社HP:ABB株式会社
ABBはエレクトリフィケーションとオートメーションのテクノロジーリーダーで、持続可能な未来を支えるために活動しています。国際的に信頼される専門知識をもって、産業の効率性や生産性の向上に寄与しています。
日本通運株式会社
- - 所在地:東京都千代田区
- - 代表者:竹添進二郎
- - 会社HP:日本通運株式会社
1937年の創立以来、日本通運は人と企業、地域を結ぶロジスティクスの中核企業として活動し、持続可能なサプライチェーンソリューションを提供しています。
NECネッツエスアイ株式会社
NECネッツエスアイは、高品質な施工で設備環境の充実を図りつつ、全国にサービスセンターを設けて保守業務も展開しています。これにより、顧客の設備運用を支援しています。