AMS企画、プレシリーズAラウンドで資金調達成功
2025年5月30日、AMS企画株式会社(以下、AMS)は、プレシリーズAラウンドにおいて1.9億円の資金を調達したことを発表しました。既存の投資家である株式会社みらい創造インベストメンツに加え、株式会社ビジョンインキュベイトや他の投資家が引受先となり、第三者割当増資の形での資金調達が実現しました。これにより、AMSの累計調達額はおよそ3億円に達しました。
この資金は、放射性医薬品の事業開発や放射性廃棄物管理を支援する装置の製品化、そして医療機関への導入活動に使われる予定です。さらに、エンジニアリング、薬事関連、事業開発に関わる人材の強化にも充当されます。
AMS企画とは
AMS企画は、2019年に北海道大学発の認定スタートアップとして設立されました。「Nuclear Reimagined for Advanced Cures」という理念のもと、診断と治療を融合させたセラノスティクス技術の実社会への実装を推進しています。国内外の医療現場での課題解決を狙い、独自モデル「AMS Growth Flywheel」を通じ、持続的なビジネスの循環を実現することを目指しています。
主な事業の一つであるセラノスティクス事業では、68Ga-PSMA-11などのPET診断薬の開発と導入を率先して行い、新たなRI治療薬の国際的な臨床試験プロジェクトも計画しています。
また、エンジニアリングソリューション事業では、放射性リガンド療法に関連するRI排水処理装置の開発・提供を行い、医療機関の放射性廃棄物の管理を効率化し、安全性の向上に寄与しています。こうした取り組みにより、AMSは日本の核医学の革新と課題解決に貢献しています。
資金調達の意義と今後の展望
今回の資金調達を機に、AMSは以下の施策を強化します。
- - 68Ga-PSMA-11を日本国内に導入するための推進
- - RI排水処理装置の製品化、及び国内外への導入支援
- - アスタチン211を用いた新規RI治療薬の研究開発
- - エンジニア、薬事、事業開発人材の採用強化
これらの施策を通し、核医学分野における新しいセラノスティクスの実現を加速し、多くの患者に革新的医療を提供することを目指しています。
代表の見解と投資家の声
代表取締役の菅原雄一郎氏は、金沢大学及び東京科学大学のビジョンインキュベイトからの支援を受けたことを光栄に思い、同社の技術を通じて日本の核医学が国際的に位置づけられる可能性を強調しました。さらに、AMSが東京電力グループと協力して開発中の核種吸着システム「BSL-177」が国際展開に向けた重要な要素であると述べています。
また、投資家である株式会社みらい創造インベストメンツの岡田祐之氏は、AMSのプラットフォーム事業が日本の核医学において不可欠であると確信し、体制の強化やパートナーシップの促進を期待しています。株式会社ビジョンインキュベイトの松本邦夫氏は、AMSの地元大学とのシナジーを活かし、医療に貢献する未来を切り拓く意欲を示しています。
会社概要
AMS企画株式会社
- - 所在地:東京都港区白金台5丁目6番9号303号室
- - 設立:2019年2月7日
- - 事業内容:核医学を基盤としたセラノスティクス技術の開発・提供
- - URL:AMS企画公式サイト
このように、AMS企画は未来の医療を見据えた技術開発に取り組んでおり、今後のさらなる成長が期待されます。