徳島の山奥に新たなウェルネス拠点「雲隠れの里」が誕生
徳島県の山深くに位置する「雲隠れの里プロジェクト」が始まりました。この取り組みは、NPO法人蝉谷の風が主導し、映画監督の佐々木芽生が発案しました。彼はニューヨークで『ハーブ&ドロシー』や『おクジラさま』といったドキュメンタリーを制作し、今回、徳島の秘境に目を向けることになりました。
佐々木監督は、山奥の生活を通じて「不便さの中にこそ豊かさがある」と感じ、この地をヨガや瞑想、アートを通じて心身を癒す拠点として再生しようと考えました。地域の人々の支援を得て、遂にプロジェクトがスタートしました。当初は、平家の落人伝説に思いを重ね、静けさの中で現代人の心を再生できる場所を目指しています。
本プロジェクトはクラウドファンディングプラットフォーム「READYFOR」にて、2025年9月から12月の約3ヶ月間にわたり実施され、第一目標は1,500万円です。この資金は、神社の鳥居修繕や土地整備、ヨガデッキの設置などに使われます。詳細は
こちらから確認できます。
プロジェクトの背景
日本各地では過疎化が急速に進展しています。2040年までには896の自治体が消滅の危機に直面する可能性が指摘されています。徳島にあるこの秘境も例外ではなく、現在の住民はわずか3人。最寄りのスーパーまでの移動には車で90分かかり、かつてのゆず畑や石垣は荒れています。このような現状を受け、「雲隠れの里」プロジェクトは立ち上がりました。観光地化を目指すのではなく、不便さを活かしながら、人々が心を整える拠点を創ることが目的です。
「雲隠れの里」は、訪れる人々に驚くべき自然の美しさを提供します。800年前、壇ノ浦の戦いに敗れた平家の落人たちが命をつなぐために訪れた場所であり、神社には樹齢千年の御神木が静かに立っています。この場所は、四国のマチュピチュとも称される美しい景観を持ち、非日常的な体験を提供します。
プロジェクトの展望
この「雲隠れの里」は、現代人が心と体を整える場所として再生されることを目指しています。具体的には、デジタルデトックスやヨガ、瞑想、山歩きなどのプログラムを提供し、参加者が自分自身と向き合う時間を設けます。佐々木監督自身も長年この地域でヨガを指導しており、地域住民に無償で教えていることからも、彼の情熱が伺えます。
当初は、4人から始まったクラスは現在50人近くの登録者を抱え、高い参加率を誇ります。この地でのウェルネス活動がじわじわと根付いているのです。将来的には、外から訪れる人々と地元の人々が共に交流し、学び合う場となることを願っています。
「雲隠れの里プロジェクト」は、一度に完了するものではなく、段階的に進めていく計画です。今回のクラウドファンディングはその第一歩であり、支援を受けてリトリートゾーンの整備、神社の鳥居再建、さらには「雲隠れの家」の設立までを計画しています。
私たちが目指している「雲隠れの里」は、現代人がオンとオフを切り替えるためのスイッチがある場所です。まずは携帯電話をオフにし、ただ静かに景色を眺めてみてください。夜は仲間と共に月明かりの下で語り合う、そんな心温まる時間を過ごすことで、この谷が人々の心に寄り添う場所になればと考えています。
プロジェクトに関する詳しい情報は、ぜひ
こちらからご確認ください。