月面ロボット「SORA-Q」
2025-02-06 11:07:28

日本初の月面探査!変形型ロボット「SORA-Q」が内閣総理大臣賞受賞

月面探査の未来を切り拓く「SORA-Q」



2025年2月5日、内閣府主催の第7回日本オープンイノベーション大賞において、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と株式会社タカラトミー、ソニーグループ株式会社、同志社大学の四者による共同開発の成果、変形型月面ロボット「SORA-Q」の正式名称「Lunar Excursion Vehicle 2(LEV-2)」が内閣総理大臣賞を受賞しました。このロボットは、日本初の月面探査ミッションにおいて完全自律制御を実現し、未踏の領域を開拓しました。

ロボットの直径は約78mm、質量は228gと、世界で最も小さく軽量な設計です。ここで注目すべきは、その革新的な技術の融合です。タカラトミーの玩具製造技術、同志社大学のロボティクス研究、ソニーの画像処理・IoT技術を基に、JAXAの宇宙関連技術を組み合わせることで、安定した月面走行と高度な自律制御を可能にしました。

受賞の背景と意義



「SORA-Q」は、月面探査のために新たな技術を開発することを目的として、産学官連携の枠組み内で推進されたプロジェクトです。LEV-2は、ただの玩具ではなく、実際に月面の環境を観測し、データを収集するためのロボットとして設計されました。具体的には、SLIMの着陸状態や周辺環境を撮影したデータを送信し、このミッションの成功に大きく寄与しました。

表彰式では、JAXAの平野大地主任研究開発員が、この賞の意義を強調しました。「この受賞は、異分野とのコラボレーションが生んだ成果です。私たちの目標は、宇宙探査技術の革新と、その成果を地上ビジネスに活かすことです」と述べています。

変形型ロボットの技術的特性



変形型ロボット「SORA-Q」は、そのユニークな特性から、多様な環境での探査を実現します。例えば、SLIMが置かれた場所の詳細な状況情報を取得するために、ロボットの形状を変えることで、複数のアプローチを可能にしました。月面の厳しい環境下でも安定した動作が保障されており、同時に複数のロボットによる探査も視野に入れています。

また、ソニーのIoT用ボードコンピュータ「SPRESENSE」を活用し、画像処理とリアルタイムなデータ分析を行うことで、より質の高い情報提供を実現しました。この技術は、今後の宇宙探査ミッションにも重要な役割を果たすことになるでしょう。

教育活動への貢献



タカラトミーは「SORA-Q」を1/1スケールモデルとして商品化し、180以上の学校や科学館への配布を行っています。また、約40の地域での展示や出張授業などを通じて、子どもたちに宇宙への興味を引き起こす活動に貢献しています。タカラトミーの赤木謙介プロジェクトリーダーは、「子どもたちが自然科学に興味を持つきっかけとなりたい」と熱く語ります。

今後の展望



今後、JAXAや協力企業は、「SORA-Q」から得られた知見を元に、新たなロボット技術の開発を進めていく方針です。「宇宙探査」と「地上事業の社会課題解決」の双方に応用できる技術の創出に向けた取り組みを強化し、さらなるイノベーションを目指します。

「この受賞は新たな挑戦の始まりです。様々な企業や機関が連携し、宇宙と地上の両方で役立つ技術を共に育てていきたい」と、関係者は今後の展望に自信を見せています。

以上のように、「SORA-Q」は日本初の月面探査ミッションの象徴として、これからの宇宙探査のスタンダードを築く存在となることが期待されています。


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