伝統の日本食材『麹』、バルセロナで新たな魅力を発信
2025年5月19日、スペインのバルセロナで『KOJI THE KITCHEN in Barcelona, SPAIN』が開催される。このイベントは、600年以上の歴史を持つ愛知県豊橋市の老舗種麹メーカー、糀屋三左衛門が主催し、バルセロナを拠点にした教育団体、Gastrocultura Mediterránea SL(GCM社)の協力も得て実現するものだ。これまでにない本格的な「麹」をテーマにしたプログラムとなる。
イベントの目的と内容
このイベントは、ミシュラン星付きシェフをはじめとするプロの料理人や美食家が集まり、麹が持つ新たな可能性を探求する場となる。バルセロナの名門料理学校、Hofmann料理学校で行われるプログラムでは、麹の基本からプロ向けの高度な技術までを学び、参加者は料理において直面する課題への解決策も得ることができる。
この取り組みは、和食や発酵食品に対する理解を深め、日本と欧州という異なる食文化が交わることで、新しい料理のトレンドを生み出すことを目指している。
KOJI THE KITCHENプロジェクトの背景
ただのイベントとして留まらず、KOJI THE KITCHENは2021年に立ち上げられたプロジェクトで、麹を通じた異分野とのコラボレーションを促進している。麹は近年、フードテックやガストロノミーにおいて注目を集めており、その様々な可能性が模索されている。
特に、海外での認知度は確実に向上しており、レストランでの新たな調理技法としても評価されている。
欧州と日本の食文化の融合
本イベントでは、欧州の料理にどう麹を取り入れるかが重要なテーマの一つとなる。日本の伝統的な発酵食材が、欧州の新鮮な食材とどのように融合するのか、参加者は高橋英子シェフとのコラボレーションを通じて実演料理を味わうことができる。このユニークな体験は、参加者に新たな味覚の発見を提供し、革新的な料理アイデアのヒントとなることが期待される。
企業の国際展開と今後の展望
糀屋三左衛門は、創業以来、3,000社以上の醸造メーカーに種麹を供給してきた日本の老舗メーカーで、国際的な展開へと舵を切る。バルセロナでのイベントを契機に、スペインはもとより、フランスやドイツなどの欧州市場への新たな展開を図る。
その背景には、GCM社との連携で開発したToufoodブランドの食品ラインがあり、2025年にはリオンでのイノベーションアワードを受賞することも見込まれている。これにより、麹の文化や技術が新たな歴史を刻むことになるだろう。
イベント概要
- - 日時:2025年5月19日(月)10:00〜16:00
- - 会場:Escuela de Hostelería Hofmann(C/ Argenteria, 74, 08003 Barcelona)
- - 参加費:157.30ユーロ(税込)
- - 言語:英語(スペイン語通訳付き)
- - 申し込みページ:Toufood公式サイト
参加講師の紹介
主催者の村井裕一郎氏は、慶應義塾大学を卒業後、アメリカで国際経営学修士(MBA in Global Management)を取得した後、2016年に当主に就任。伝統遂行の中で新しい発酵文化の創造を目指している。
また、高橋英子シェフは、バルセロナを拠点に麹の魅力を広め続けており、数々のミシュランシェフへの指導経験を持つ。
これらの講師や専門家の指導の下、参加者は新たな学びの機会を得られることだろう。