明治安田生命と日本IBM、生成AIによるITシステム開発の生産性向上を実現

明治安田生命と日本IBM、生成AIを活用したITシステム開発の実証実験

明治安田生命保険相互会社と日本アイ・ビー・エム株式会社は、ITシステム開発・運用の効率化と高品質化を目的とした生成AIを活用した実証実験を実施しました。この取り組みは、AIを駆使してITシステムの生産性を約25%向上させ、2025年4月からは実業務での運用を開始する計画です。

背景

近年、IT業界では専門的人材の不足が深刻な問題となっています。特に、メインフレームと呼ばれる既存システムの運用に対応できる人材が不足しており、これに対処するために企業はシステム開発・運用の効率化に取り組む必要があります。明治安田生命は、この問題解決の鍵となるのが生成AIであると考え、日本IBMとの協力で実証実験を行うことにしました。

実証実験の概要

実証実験では、明治安田生命と日本IBMが協力し、システム開発プロセスを効率化するための生成AIの活用方法を検討しました。実験は二つの主要な部分から成り立っています。第一に、一連の開発工程の効率化の検証、第二に各工程のトレーサビリティチェックの検証です。

開発工程の効率化

最初の実証実験では、生成AIを用いて、内部設計からコーディング、単体テストまでの開発プロセスを最適化しました。具体的には、実業務から得た成果物を使い、生成AIが自動的に内部設計書を作成し、それを基にコーディングやテストケースを生成する仕組みを導入しました。その結果として、開発工程において約25%の効率化が実現されました。

トレーサビリティの確認

次に行われた実証実験では、要件定義から外部設計、テスト工程におけるトレーサビリティを確認しました。特に、保険業界に特有の用語を補足することで、生成AIの性能を向上させる取り組みが行われました。これにより、開発プロセス全体の透明性と質が高まりました。

今後の展望

この二つの実証実験の成果を踏まえ、明治安田生命と日本IBMは、2025年4月から実業務環境でのパイロット運用に入ります。明治安田生命は、今回の取り組みをシステム開発における重要な施策と位置づけ、今後も生成AIの活用を進めながら、日々進化するテクノロジーを積極的に取り入れる方針です。

また、要件定義や外部設計の影響調査、結合テストなど各工程における生成AIの活用を広げ、さらなる効率化を目指します。将来的には、生成AIを基にしたシステム開発プロセスの再構築に向けて、日本IBMとの協業を拡大していく考えです。

日本IBMは、この取り組みを通じて、基幹システムを含むITシステムの開発と運用方法を根本的に変え、お客様と共にIT変革の一翼を担っていく所存です。AI技術を活用した新たな時代のスタンダードを確立することに注力しています。

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