名古屋発の革新材料ベンチャーU-MAP
名古屋大学の研究成果に基づいて設立された株式会社U-MAPが、約3億円の資金を調達しました。この資金は、電子機器の熱問題解決を目指す革新的な材料「Thermalnite」を用いた研究と開発を加速させるためのものです。おもに電子機器、特に電気自動車(EV)やデータセンターなどの産業機器の放熱性向上が課題とされています。
革新的新素材「Thermalnite」
U-MAPが開発するThermalniteは、繊維状の窒化アルミニウム単結晶で、熱伝導性に優れた新素材です。この素材の特長として、セラミックスや樹脂に添加することで、既存の材料では実現できない新しい機能を生み出せる点が挙げられます。これにより、電子機器の高性能化や小型化、省エネ化を実現するための鍵となります。
「熱問題」がもたらす影響
電子機器の発熱は、性能の低下や寿命の短縮をもたらします。この問題は特にEVや通信システム(5G)、データセンターなどで深刻化しています。従来の冷却方法としてファンや水冷装置が用いられてきましたが、これらは装置の大型化やコスト増につながるため、U-MAPは材料の熱伝導特性を向上させるアプローチで新たな解決策を提供しようとしています。
U-MAPの強みと今後の展開
U-MAPが開発したThermalniteは、従来の材料に比べて少ない添加量でも優れた熱伝導性を持つことが特長です。例えば、樹脂やゴムと組み合わせることで軽量且つフレキシブルな特性を維持しつつ、しっかりとした熱管理が可能となります。これにより、幅広い分野での適用が期待されており、すでに70社以上にサンプルを提供しています。
今回の資金調達によって、U-MAPはThermalniteの量産化に向けたパイロットラインの設計と稼働を進め、厳しい品質保証体制を確立する予定です。また、材料開発の効率化に向けた機械学習技術であるプロセスインフォマティクスも活用し、開発スピードの向上を図ります。
会社概要
- - 設立年月:2016年12月12日
- - 所在地:愛知県名古屋市千種区不老町名古屋大学インキュベーション施設207
- - 代表者:西谷健治(CEO)
- - 事業内容:繊維状窒化アルミニウム単結晶の開発・販売
- - 公式サイト:U-MAP公式サイト
- - 問い合わせ:[email protected]
U-MAPの取り組みは、今後のエレクトロニクス産業において非常に重要な意味を持つと考えられます。これからの展開にぜひ注目です。