獣医療VR教材「VETS VR」
2023-02-01 10:00:02
獣医療VR教材「VETS VR」誕生!麻布大学とVR企業が共同開発
獣医療VR教材「VETS VR」が誕生!
麻布大学、VR技術を持つあまた株式会社、そして獣医療出版社のEDUWARD Pressの3社が共同で開発した獣医療VR教材「VETS VR」がついにリリースされました。
「VETS VR」は、獣医療に関する学術知識を有する麻布大学と、最新のVR技術を持つあまた株式会社、教材開発のノウハウを持つEDUWARD Pressの強みを活かした、獣医療トレーニング用VRソフトウェアです。
「VETS VR」で実現する、より深い学びと動物福祉
「VETS VR」は、高い臨場感をもって学習者の「手技」「手順」への理解をサポートします。従来のテキストや映像教材では得られなかった、実践的なトレーニング環境を提供することで、より深い学びを可能にします。
さらに、「VETS VR」は、実習対象となる動物の代替をVRが担うことでアニマルウェルフェアを実現します。動物を使った実習は、動物にとって危険が伴う場合があり、倫理的な問題も発生する可能性があります。VRを活用することで、動物への負担を軽減しながら、安全で効果的な学習を実現します。
「VETS VR ~犬の気管挿管~」編の特徴
第一弾としてリリースされた「VETS VR ~犬の気管挿管~」編は、日本小動物外科専門医のきめ細かな監修のもと、必要な器具の選択から麻酔導入、気管挿管までをVRで忠実に再現しています。
特徴は以下の3点です。
1. 精巧な手技再現: 各手技を精巧に再現することで、手技の流れや方法を体感できます。
2. 全体像の理解: 気管挿管の全体像・プロセスを実際に体験し、理解を深めることができます。
3. ポイント解説: 正解・不正解の提示だけでなく、ポイント解説により理解度の促進と技術向上をサポートします。
開発者である高木哲教授が語る、「VETS VR」への想い
「VETS VR」の開発背景について、開発者である麻布大学獣医学部小動物外科学研究室教授の高木哲先生は、次のように語っています。
>動物を使った実習は、動物にとって命がけになってしまうことも多いです。さらに、その実習を1人が何回もできるわけではないため、疑似教材の可能性を検討していました。
>これまでの教材は、臨場感はあっても自分で考え選択するといった主導性がありませんでした。例えば映像教材の場合、再現性はよくても誰かが行っているのをトラックするような状態になってしまいます。そのため、もう少し先の「自分で体感できるようなもの」が欲しいと考え、VRなどゲームの可能性には注目していました。
>今回EDUWARD Pressを通じて、あまたという実力のある会社と繋がることができ、リアリティのある質の高い教材が実現できました。
高木先生は、「VETS VR」の魅力として、自分で動かし、実際に手技や手順を覚えることができること、リアルな質感と操作性を実現していることを挙げています。
>初めてVRを操作する人でもストレスなく、初心者でも理解できるというところにかなり気を遣いました。
>質感については、動物の反応などのリアリティに関する細かい要望も反映していただいたので、他のシミュレーターよりはかなり質の高い動きをすると思います。
今後の展望
「VETS VR」は、操作性が大変よい仕様に作りあげられているため、実習を担当する教員は、教育、臨床、研究などへのヘルプに時間を割くことができ、教育の強弱を効果的に構築できるチャンスが増えるとのことです。
高木先生は、VR教材が獣医療教育に大きな可能性を秘めていると考えており、今後、様々な教材を開発していく意向を示しています。
>メタバースやVRの可能性は大変高いと思いますが、エンタメで終わっているような部分が多いと感じています。これ自体が楽しいというのは前提にありますが、教育や職業人を育てるトレーニングという部分に上手くはめ込めている教材は、現在そんなにないですよね。
>教材設計において、何を目的にするか。そこが曖昧だと実際には使えないようなものになってしまいます。
>海外の論文では実際にVRを使って学習した学生の方が試験の合格率がいいというデータが出ていますので、今後も検証をしながらアップデートを重ね、技術が進歩することで、VRが実際の臨床現場に+の効果をもたらすようになってくれればいいなと思います。
「VETS VR」は、獣医療教育の未来を大きく変える可能性を秘めたVR教材です。今後の展開に期待しましょう。
会社情報
- 会社名
-
株式会社EDUWARD Press
- 住所
- 町田市森野1-24-13ギャランフォトビル3階
- 電話番号
-
042-707-6133