2025年上半期アジア太平洋地域不動産投資動向、コリアーズが発表したレポートからのインサイト

コリアーズが発表した2025年上半期の不動産投資レポート

2025年上半期のアジア太平洋地域における不動産投資に関する重要なインサイトが、コリアーズ・インターナショナル・ジャパン株式会社から発表されました。8月29日にリリースされた『2025年上半期アジア太平洋地域インベストメント・インサイトレポート』と、9月12日に発表された『グローバルキャピタルフローレポート 2025年9月』は、特に日本市場に焦点を当てた情報が満載です。

不動産投資における日本の地位

日本は、2025年の上半期において世界のクロスボーダー不動産投資市場で、投資先として10位、投資元として7位に位置付けられています。特に、日本の投資家による海外不動産への投資は、過去5年間の平均を上回るペースで拡大しています。欧米が慎重になっている中で、日本の動きが際立っています。

金融政策の特異性

現在の日本の金融政策は、グローバルな金融緩和の傾向とは大きく異なります。2025年時点でインフレ率が3％を超える持続的な水準で推移しており、日本銀行による利上げの可能性が高まっています。他国が利下げに向かう中、日本だけが金利上昇圧力に直面している状況です。これは、国内外の投資家にとって注目すべきポイントです。

日本の不動産市場の実績

2025年の上半期、国内の不動産投資総額は161億米ドルに達し、前年比で7％の増加を見せました。日本の投資家による国内投資が79％、海外からの資本が21％を占めています。セクター別では、オフィスが88億ドル、賃貸住宅が21億ドル、ホテルが19億ドル、物流施設が18億ドルと、明確な回復傾向を示しています。

今後の見通し

日本の不動産市場は、農業と貨物運送・ロジスティクスの需要に支えられています。また、訪日観光客の回復もホテルセクターの成長を後押ししています。長期的な人口構造の変化を前提にした多様な投資戦略が市場の安定感を高めています。日本の金融政策が今後どのように変化するかは、投資家の関心を引き続き集めるポイントです。さらに、地政学的な不安定さが増す中でも、日本市場は透明性と安定性が求められる国際的な投資先として注目される可能性があります。

投資の多様化

2025年下半期も、安定した取引量と多様な投資家層のおかげで、堅調な投資活動が続くと見込まれています。特にデータセンターやライフサイエンス関連のオルタナティブ資産への関心が高まり、ポートフォリオの多様化が進むことが期待されています。これは市場の持続的な成長を支える要因ともなります。

詳しい情報については、コリアーズの公式ウェブサイトや発表されたレポートをご覧ください。これからの不動産市場の動向に目が離せません。