ユニクロが支援する難民映画基金、第2弾短編作品助成者を発表
2026年5月に行われたカンヌ国際映画祭では、ユニクロが関与する『The Displacement Film Fund(難民映画基金)』の第2弾短編映画助成対象者が発表されました。こ の発表は、同基金の共同創設者であり代表のケイト・ブランシェットによってなされ、選ばれたのはモハメド・アメル、アンマリー・ジャシル、アクオル・デ・マビオル、バオ・グエン、リティ・パンの5名の監督たちです。この中には、昨年の東京国際映画祭でグランプリを受賞したアンマリー・ジャシル監督や特別賞を受賞したリティ・パン監督も含まれており、期待が高まります。
さらに、彼らの作品が2026年10月に開催される東京国際映画祭で日本初上映されることも発表されました。第1弾支援作品として、ハサン・カッタン監督の『Allies in Exile』、マリナ・エル・ゴルバチ監督の『Rotation』、モハマド・ラスロフ監督の『Sense of Water』、シャフルバヌ・サダト監督の『Super Afghan Gym』、モ・ハラウェ監督の『Whispers of a Burning Scent』の5本がラインナップされています。
これらの作品はすでにロッテルダム国際映画祭でワールドプレミアを迎え、大きな反響を呼び、英国の『The Guardian』でも五つ星評価を得ているなど、国際的にも高い評価を受けています。カンヌで行われた記者発表会には、新たに支援を受ける5名の監督たちが登壇し、彼らのプロジェクトや、世界的に増加する難民問題への映画界の取り組みについて語られました。
難民映画基金は、2025年の第54回ロッテルダム国際映画祭での創設発表以来、映画制作者の避難を支援することを目的として活動してきました。ユニクロはこの基金の創設パートナーとして、毎年10万ユーロの寄付を行っており、彼らの取り組みの一環としてより多くの人々に難民の物語を伝えることを目指しています。
【コメント】
IFFRのマネージングディレクター、クレア・スチュワートは「第1弾助成作品の仲間たちと共に歩んできた道のりは非常に意義深いものでした。第2弾の映画制作者たちはそれぞれの困難な経験を抱えつつも、映画という芸術を通じて感動を届ける素晴らしい才能を持っています。私たちは、彼らの物語を多くの人に知ってもらえるよう全力を尽くします」と意気込みを見せました。また、東京国際映画祭のプログラミングディレクターである市山尚三さんも「この作品群は、当今の政治的背景の中での重要な問題提起として注目されるものです」とコメントしました。
【監督たちのプロジェクト紹介】
モハメド・アメルの『Return to Sender』(仮題)では、パレスチナ出身のコメディアンが移動を続ける中で直面する現実が描かれます。アンマリー・ジャシルの『Deconstruction』(仮題)は、歴史が交錯する街ハイファを舞台にした深い物語です。アクオル・デ・マビオルの『Traces of a Broken Line』(仮題)では、戦争によって途絶えた系譜を保とうと奮闘する母親の姿が描かれています。バオ・グエンの『How to Ride a Bike』(仮題)では、ベトナム難民の父親が自転車の乗り方を息子に教える過程が心理的な葛藤を通じて表現される予定です。リティ・パンの『Time… Speak』(仮題)は、亡命中の映画制作者が記憶の断片を集めて再構築する映像世界を探求します。
『難民映画基金』は、難民を題材にした映画制作を通じて、世界の意識を変える力を持つ映画の可能性を信じています。今後もこの取り組みが続くことで、難民問題への理解が一層深まることを期待しています。