大人の学びを支える新たな試みとは
コクヨ株式会社とベネッセコーポレーションが共同で行う「大人の学び」を支援するプロジェクトが注目されています。本企画は、コクヨが開発したIoT文具「大人のやる気ペン」と、長年にわたり子どもたちの学習をサポートしてきたベネッセの「赤ペン先生」とのコラボレーションによるものです。
「やる気ペン」がもたらす効果
コクヨが開発した「大人のやる気ペン」は、学習者の努力を可視化するためのIoT文具で、ペンの動きを感知する加速度センサーが内蔵されています。このペンは、スマートフォンアプリと連携して学習時間を記録し、そのデータを分析することで、自己成長を実感できる仕組みになっています。学習時間や目的をアプリに記入し、寄せられたデータは「赤ペン先生」が褒め励ます言葉の材料として活用されます。
大人の学びにおける課題
2024年には、ベネッセが実施した調査によって、大人の学びには「自己肯定感の低さ」や「リスキリングに対する抵抗感」といった課題が浮き彫りになりました。多忙を極める大人たちは、学び続けるためのモチベーションを維持するのに苦労しており、時に孤独を感じることもあります。そこで、コクヨとベネッセは「寄り添う存在である赤ペン先生が重要ではないか」という仮説を検証し、取り組みました。
寄り添いと承認の重要性
結果として、この取り組みは「寄り添いと承認」の効果の重要性を示唆しました。学習者が自己の成長や進捗を実感するためには、結果だけでなく、「学びのプロセス自体」も称えられることが大切だと同社は考えています。手書きメッセージがユーザーを励まし、心の不安を和らげる一助となることが確認されました。
具体的な実施内容
今回の取り組みでは、やる気ペンのユーザー20名に向けて、「赤ペン先生」が送る手書きメッセージカードが作成されました。各ユーザーの学びの目的や学習時間を基にした個別のメッセージを届けることによって、モチベーションを高めました。
メッセージの特徴
1.
進捗を褒める: 学ぶ姿勢や行動を自ら実現できたことに気付かせ、自信を持たせる。
2.
プロセスを重視: 結果だけでなく、努力やプロセスをまずは評価する。
3.
支えとなる存在: 学ぶ人が主体であり、赤ペン先生はその背後でサポートする存在であることを意識。
4.
寄り添った立場: 他者の成長を応援する姿勢が大切です。
ユーザーからの反応
手書きのメッセージを受け取ったユーザーたちからは、ポジティブな反響が寄せられています。「赤ペン先生の優しいメッセージによって元気をもらえた」という声や、「あたたかいメッセージが胸に響いた」といった意見が多く、特に美しい手書き文字に感動したとの感想もありました。
取り組みの意義
この取り組みは、ただの学習支援を超えたものであり、大人たちがより豊かな学びを得るために必要な「認め合い」と「励まし合い」の関係を構築する一助となることが期待されています。今後も、コクヨとベネッセはこの関係を基にして、大人の学びを支援する新しいコンテンツやサービスの開発を進めていく予定です。
このプロジェクトは、現代の大人たちに必要な寄り添ったサポートを提供し、彼らの自己肯定感を高め、学習のモチベーションを向上させるための重要な試みとなっています。今後も注目していきたい取り組みです。
詳細な情報は、オウンドメディア「YARUKI ON」でもご覧いただけます。