シモジマ、AI技術で受注業務を効率化
株式会社シモジマが最近、AI技術を駆使した「発注書AI-OCR(invox)」を導入したことが話題を呼んでいます。このシステムは、受注業務に必要な手作業を省くことにより、全体の作業時間を半分に短縮することに成功しました。ここでは、シモジマがこのシステムを導入するに至った経緯とその効果について詳しく見ていきます。
シモジマの受注業務の現状
シモジマは1920年に創業され、包装材料を中心に幅広い商品を取り扱っています。特に、約10万点以上のアイテムを自社開発商品として扱っており、全国に5,000社以上の取引先を持つなど、業界内での信頼性が高い企業です。しかし、受注業務ではFAXによる発注が約30%を占めており、手作業によるデータ入力には膨大な時間を要していました。特に、商品コードが記載されていない発注書が多く、商品コードをカタログから検索する作業が必要になるなど、効率が悪化していました。また、基幹システムへの入力においては、3人以上のスタッフが関与する必要があり、ミスが発生した際にはさらなる人員の手間がかかる状況でした。
導入に至った理由
シモジマは、業務効率の向上を目指して複数のOCR(光学式文字認識)システムを検討していました。最終的に「発注書AI-OCR(invox)」に決定した理由として、信頼性の高いインフォマートのサポート体制が挙げられます。実際、導入の試行を経て、システムがもたらす改善の可能性を実感し、その結果として導入を決定しました。また、「BtoBプラットフォーム 受発注」との連携により、開発コストを抑えたのも導入の大きなポイントとなりました。
導入後の劇的な変化
現在、シモジマでは毎月約3万枚のFAXを受け取り、そのうち4,000〜5,000枚を「発注書AI-OCR」で処理しています。これにより、従来は3人以上が必要であった受注業務を、実質1〜2人でこなせるように効率化されました。作業時間の大幅な短縮が実現され、業務担当者からも「このFAXもOCR処理できるのでは」との提案が増え、デジタル化を進める意識が高まっています。結果、EDI(電子データ交換)の比率も70%から80%に向上し、これまでの業務プロセスに革新がもたらされています。
今後の展望と計画
シモジマは、今後も「発注書AI-OCR」の導入を進め、読み取れるフォーマットを増やして月間1万枚を目指す計画を立てています。これにより、生産性がさらに向上することが期待されています。また、経理部門でも納品書のEDI化を進めることで、全体のデジタルトランスフォーメーションを促進する意向です。
このように、シモジマはAI技術を活用することで業務フローを効率化し、より柔軟な経営管理を実現しようとしています。労働力の最適化とともに、業務の質を高める取り組みは、シモジマの競争力向上に大きく寄与するでしょう。
まとめ
シモジマの「発注書AI-OCR(invox)」の導入は、業務効率化の一環として効果を発揮しています。今後の展望としてさらなるデジタル化が期待され、他の企業模範となることでしょう。