国内個人投資家の動向
最近の調査において、日本の個人投資家が大型株や高配当株に対する関心を強めていることが判明しました。この調査は、株式会社日経BPが発行する月刊誌『日経マネー』によるもので、2025年4〜5月に実施されました。今回の調査では9163名の有効回答を得ており、同種の調査としては国内最大級です。
調査の概要と結果
調査は、毎年春に実施され、特に個人投資家の投資スタイルや運用成績に関する情報を集めています。調査の結果、個人投資家は大型株および高配当株を選好する傾向が強まっていることが確認され、特に「日本の大型株・優良株中心の王道投資」がトップとなりました。このスタイルを選ぶ割合は前回の調査から3ポイント以上上昇し、全体の25.5%に達しました。
加えて、「高配当株・優待株などの利回り投資」も人気が高まり、前年から3ポイント以上増加しました。このデータは、相場環境が変動する中で、個人投資家が安定した配当を求める傾向を示しています。
高配当株へのシフト
高配当株を選ぶ基準として「配当利回りの高さ」が50%を超える割合を示しており、これは東京証券取引所が行ってきた市場改革の影響と考えられます。企業が株主還元を強化する中、個人投資家はより魅力的な投資先として高配当株を重視するようになっています。一方で、国際分散投資や米国株投資の割合は減少していることも興味深い点です。
相場の暴落への対応
2024年の相場暴落時には、多くの個人投資家が様子見を選びましたが、その後の調査では、2回目の暴落に際して追加投資を行う割合が高まったことが分かりました。24年8月の暴落時には60%が「特別なことはせず、様子見」と答えましたが、25年4月には約30%の人々が追加投資を選んでいるのです。これからは、相場の急落を「買いの好機」と捉える投資家が増加していることが窺えます。
NISAの積極利用
最近の新人ISA制度の拡充も影響を与えています。利用者の88%がNISAを活用しており、その中でもつみたて投資枠と成長投資枠を併用している人が56%に上ります。特に、平均利用額は前年よりも増加し、個人投資家の中でより積極的にNISAが活用される伯圏がしっかりと見受けられます。
結論
以上のように、個人投資家は大型株や高配当株に対する志向を強め、相場状況に応じた柔軟な対応を見せています。さらに、新NISAの活用が進み、より多くの投資家が資産運用に対する積極的な意識を持つようになってきていることが明らかになりました。今後は、これらの傾向が日本の投資市場にどのような影響を与えるのか、引き続き注目が集まります。