次世代CD-SEM「HSS-1000」が切り開く新時代
株式会社ホロンが新たにリリースした次世代電子ビームフォトマスク寸法測定装置「HSS-1000」。この装置は、従来型の「ZX」モデルから大幅に性能が向上し、特に1.6nmノード以降のEUVマスク製造に求められる高精度CD測定が可能となりました。多くの課題を解決する新技術が搭載され、業界のニーズに応える製品として期待されています。
HSS-1000の特長
「HSS-1000」は、様々な技術向上により、特に以下のような特長を持っています。
- - 高精細なSEM画像の取得:新設計の電子光学系によって、薄膜吸収層や開発中のレジストに対してクリアで精細なSEM画像を得ることができます。これにより、微細パターンの観察精度が飛躍的に向上しました。
- - 高速且つ高精度なCD測定:描画装置並みの精度と高速性を備えたビーム制御回路により、迅速なCD測定が可能で、量産プロセスにおける適応力が強化されました。
- - 低ダメージ観察機能:低入射エネルギー(100eV)による観察機能が付与され、レジストシュリンクを抑えた観察が可能です。
- - 高いスループット:新設計の搬送システムと高速ステージにより、スループットが大幅に向上し、量産現場でのニーズにも応えられる設計です。
- - AI技術の導入:ビーム焦点や位置ズレの予測補正、De-noise処理などのAI技術により、SEM画像の高精細化と安定化が実現されています。
- - 強力なチャージ対策:低真空とVUV光を併用することで、帯電による画像劣化を抑制し、安定した観察が可能です。
これらの特長によって、EUV露光技術による微細化が進む中での新たな課題にも対応しやすくなりました。
課題とその背景
EUV露光技術が本格的に導入されることに伴い、マスクパターンの微細化が急速に進行しています。それにより、CD測定精度の向上、スループットの確保、高精細観察能力の向上、そして曲線パターンのエッジ位置検出など新たな技術的挑戦が顕在化しています。これらの課題に対処するために、ホロングループは自身の革新技術を駆使して「HSS-1000」を開発しました。
従来製品との性能比較
「HSS-1000」は、従来製品「ZX」と比較して以下のような性能向上を実現しています:
- - 寸法測定精度(Static):25%向上
- - ビーム分解能(Sharpness):15%向上
- - CNR(Contrast to Noise ratio):15%向上
- - 測定時間:30%短縮
今後の展望
ホロンは、今後も開発リソースを強化し、顧客ごとのニーズにきめ細かく対応できる体制を整えることで、アジア市場だけでなく欧米市場への展開を図っていく意向です。「HSS-1000」はその第一歩として非常に重要な製品であり、今後の半導体製造において大きな影響を与える存在となるでしょう。
企業情報
株式会社ホロンは、その専門技術を駆使し、半導体およびナノテクノロジー分野での技術提供に注力しています。フォトマスクの観察や計測がもたらした経験を生かし、超微細加工を実現するHDD、MEMS、ナノインプリント分野にも積極的に進出しています。詳細は
ホロンのウェブサイトをご覧ください。
お問い合わせ先
株式会社A&Dホロンホールディングス
経営企画部広報IR課
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