パン業界の環境問題に立ち向かう「ロスパンの教科書」の全貌

パン業界の食品ロスを減らす「ロスパンの教科書」

食品ロス問題が注目される中、合同会社クアッガが運営する通販サイト「rebake」は、特にパン業界の廃棄ロスを削減するために「ロスパンの教科書」を発行しました。このガイドブックは、売れ残りや廃棄される可能性のあるパン、通称「ロスパン」に焦点を当てた内容となっています。2024年2月の発行以降、1年間で合計1万部が配布され、多くのパン屋や教育機関を通じて消費者に手渡されました。

ロスパンの教科書とは？

「ロスパンの教科書」は、パン屋さんの店頭で売切れず廃棄されそうなパンに特化したガイドブックです。全国の製造小売のパン屋さんの15%以上がrebakeに登録しており、ほとんどの店舗がロスパンの販売に取り組んでいます。出版にあたっては、パン屋さんへの調査を行い、ロスが発生する理由を徹底的に分析。その結果、パン業界全体で食品ロス削減に対する意識が93%の店で高まっていることがわかりました。

しかし、ロスパンについては多くのパン屋が発言しにくいのが現状です。調査によると、81%のパン屋さんが「発言しやすくなってきた」と感じているものの、依然としてその気持ちに追いついていない印象があります。こうした課題を解決するために、ロスパンの教科書が誕生したのです。

教科書の配布と協賛

「ロスパンの教科書」は既に第2刷が完成し、全国各地のパン屋が協力して配布を行っています。具体的な配布方法として、パン屋さんの店頭での設置や、rebakeから発送された際に同封する形が取られています。また、パンフェスなどのイベントでも配布されており、食品ロスに関心がある団体や教育機関を通じて広く流通しています。配布店舗は、北海道から鹿児島まで多数のパン屋が参加しており、地域ごとに異なるパンが紹介されています。これにより、食への関心が高い消費者がパン屋とより密接に繋がることにも寄与しています。

協賛企業の紹介

今回の計画にご賛同いただいた全国のパン屋や企業によって、ロスパンの教科書はより一層充実した内容になっています。特に、ロスパン削減に積極的な店舗が参加しており、その思いを消費者に伝える役割を果たしています。特に、Tummy Bakeryの木田さんは「フードロスやロスパンの問題を広め、多くの人に知ってほしい」とコメントしています。

rebakeの目指す社会

rebakeが目指す社会は、パンを廃棄せずに循環させることです。品質の高いロスパンを必要とする人々に届け、その価値を最大限に活かすことで、地球環境にも優しい取り組みを進めています。

全てのパンが消費されることで、作る責任や使う責任を社会全体で達成していく意義深いプロジェクトです。ロスパンの教科書を手に取った人々が、パン屋と共に食の未来を考え、ともに壁を越えていくことが期待されています。