街の郵便局の裏側に迫る『ブラック郵便局』
日本において、郵便局は私たちの日常生活に欠かせない存在です。誰もが目にする郵便ポスト、そして町を駆け回る郵便配達員。それらの日常風景の裏では、実際に何が起きているのでしょうか。このたび、2月17日に新潮社より刊行されるノンフィクション『ブラック郵便局』は、その答えを明らかにします。この作品は、西日本新聞の記者である宮崎拓朗氏が6年以上にわたって取材した結果、浮き彫りになった郵政グループの深刻な実態を描いています。
ノルマに苦しむ局員たちの叫び
「もう限界です」と話す多くの郵便局員。彼らは異常なノルマに追われ、時には自らの資金を使って年賀ハガキを購入しなければならないことも。そのトータル金額は、驚くことに100万円にも上るといいます。こうした状況に対して、局員たちがどのように感じ、どのように耐えているのか。本書では、彼らの生の声がフィーチャーされています。
暴露される組織の闇
さらに本書では、過剰なノルマだけでなく、上層部によるパワーハラスメントの実態、さらには局員の自死が横行している事実も明らかになります。これらは、単なる業界の問題では済まされない、重大な社会問題です。このノンフィクションを通じて、私たちが普段目にする郵便局の内側に潜む闇が明らかにされることでしょう。
各章の内容を知る
書籍の目次からは、非常に衝撃的な内容が伺えます。
- - 第一章: 高齢者を喰い物に
- - 第二章: “自爆”を強いられる局員たち
- - 第三章: 局長会という闇
- - 第四章: 内部通報者は脅された
- - 第五章: 選挙に溶けた8億円
- - 第六章: 沈黙だけが残った
特に、高齢者を対象にした保険営業の実態について深く掘り下げられています。高齢者に寄り添うはずの局員たちが、どうしてそのような状況に陥っているのか、その背景にはどのような圧力があったのかが明らかにされます。
著者の経歴と資質
宮崎拓朗氏は、1980年に福岡県で生まれ、京都大学を卒業後に西日本新聞社に入社しました。彼は何度も取材を重ねて記事を発表し、その成果が評価され、様々な賞を受賞してきました。本書『ブラック郵便局』も、その精力的な取材活動の結晶です。著者は、この問題を世に問うことで、組織の改革につながることを期しています。
まとめ
つまり、『ブラック郵便局』は、私たちが普段見過ごしている郵便局の裏側を暴露し、組織全体の改革の必要性を訴える重要な書籍です。2月17日の発売を前に、その内容がどれほど衝撃的であり、読者に何をもたらすのか、ぜひ注目したいところです。