株式会社Hacobuが物流DXシステムインテグレーション事業を開始
データの活用が進む現代の物流業界において、株式会社Hacobuは新たに「Hacobu Solution Studio」を立ち上げました。この新事業は、物流DXに特化したシステムインテグレーションを提供し、企業が直面する物流課題を多角的に解決することを目的としています。
Hacobuの新たな挑戦
Hacobuは「MOVO(ムーボ)」シリーズというクラウド型の物流管理ソリューションを展開しつつ、物流DXコンサルティング「Hacobu Strategy」を提供してきましたが、今回の「Hacobu Solution Studio」により、システム構築及び連携のサービスをさらに拡充します。これにより、企業は物流DXの推進をより包括的に行うことができるようになります。
「Hacobu Solution Studio」は、主に以下の三つの特徴を持っています。
1. ワンストップでのサービス提供
Hacobuは、SaaS型ソリューション「MOVO」をはじめとする各種サービスを一つの窓口に集約。そして、企業のニーズに応じたシステムインテグレーションを行うことで、「導入したSaaS製品と既存の基幹システムがつながらない」といった課題を解消します。この取り組みによって、多くの企業が抱える物流システムの悩みを解決するためのサポートが可能になります。
2. 現場のニーズに応じた設計と改善
Hacobuは、MOVOを開発・運用しているSaaSの専門企業であり、物流現場の実態に合った機能設計と改善に常に力を入れています。物流のスペシャリストとチームを組むことで、システム構築と提案において一般的なSIerを超えたレベルに引き上げています。
3. 高速かつ柔軟なシステム構築
AI技術を駆使することで、Hacobuは従来の開発サイクルを大幅に短縮。企業個々の業務要件に応じた柔軟なカスタマイズが可能で、迅速に物流システムを構築できる点が特徴です。
実績事例:花王の次世代自動化倉庫
「Hacobu Solution Studio」では、花王株式会社の豊橋工場における次世代自動化倉庫への「MOVO Berth」の導入プロジェクトが一例としてあげられます。このプロジェクトでは、場内トラック管理の自動化が進み、トラックの入退場を効率化するためのシステムが導入されました。
具体的には、MOVO Berthによるトラックの到着管理が無人化され、ドライバーへのSMS通知や入退場処理が自動で実施されます。このシステムによって、トラックの滞在時間が従来の1時間から20〜30分に短縮され、労働の負担を減少させると同時に、現場の作業効率が大幅に向上しました。
事業の背景と意義
Hacobuの取締役執行役員COO坂田優氏は、「SaaSやコンサルティングだけでは到達できない壁がある」とし、この壁を乗り越えるために「Hacobu Solution Studio」の実施に至ったと話しています。物流システムの標準化やオープン化が進む中、共同輸配送などの新たな効率化ニーズに対応するためには、各企業の基幹システムと物流ITシステムの連携が必要不可欠です。
Hacobuは、今後もSaaSメーカーとしての開発知見を活かし、協力関係の中での持続可能な物流の実現に貢献していく考えです。様々な業界のニーズに応えられるよう、サポート体制を強化し続けることで、物流DXの進化を促進していくことでしょう。今後の進展が期待されます。