心を守るサッカー教育:対談の内容
10月10日の「世界メンタルヘルスデー」にあわせ、武道教育の権威である風間健氏と、エスペランサSCの総監督オルテガ・ホルヘ・アルベルト氏が対談を行い、それをnoteで公開しました。本記事では、彼らが語る“心を守るサッカー教育”の新しい視点について詳しくご紹介します。
1. 勝敗を超えた“心の居場所”の大切さ
風間氏は、技術を単なる“人を倒す技術”としてではなく、心の弾力性を育てるための“心の護身術”として捉えています。ここで重要なのは、感情に振り回されるのではなく、自己を整える力を養うことです。オルテガ氏は、選手育成において「まず人として成熟すること」を重視し、思いやりや責任感をクラブ文化に深く根付かせています。この視点は、競技スポーツが勝ち負けだけでなく、心の成長にも寄与することを示しています。
2. 支え合う存在としてのアプローチ
両者は、支え合う関係性が如何に重要かについても言及しています。他者を支え合うというアプローチは、単に「してあげる」ことではなく、「そばにいる」ことが肝要です。このため、叱責よりも対話を優先し、体験や共感を通じた信頼関係の構築が重視されます。日常の中で、表情やトーンの微細な変化に気づく力を育むことが、良好な関係の礎となります。
3. 知恵を生かす勇気
また、指導現場では「頑張れ」と鼓舞するのではなく、「今は休んでいい」という選択肢も提案されます。明文化された休息のサインや負荷の調整は、選手と指導者双方が無理をから解放される道筋になります。このように、環境を整えることで、長期的に健康でいられる土壌が築かれます。
4. 社会全体で育む心のセーフティネット
さらに、家庭、学校、地域クラブ、企業など、様々な場で共通の理解を持つことが、心を守る大切さについてより多くの人々に認識されなければなりません。具体的には、トレーニングやミーティングの中で「体調・気分チェック」を行うことや、参加者全体が互いの気持ちに配慮しあうことで、心の安全基地を育てることが可能です。
人物紹介
- - オルテガ・ホルヘ・アルベルト:エスペランサSCの総監督であり、元アルゼンチン代表のMF。結果よりも選手が居場所を持つことを重視し、地域に根付いた育成方針を実践しています。公式サイト:エスペランサSC
- - 風間 健:武道教育研究家であり、気練・武心道の創始者。児童自立支援の分野で40年以上活躍し、著書『ブレない・折れない・曲がらない「心の軸」のつくりかた』等多数。全国での講演やワークショップでその経験を元に指導を行っています。
この対談を通じて、サッカー教育がどのように選手たちの心を守り、育てていくのか、その可能性を強く感じることができました。
詳細な対談記事は以下のリンクからご覧いただけます。
希望を育てる──エスペランサSC監督・オルテガが語る “心を守るサッカー教育”