ヨーロッパこどもホスピス視察報告会開催
2024年12月1日、愛知県名古屋市にある日本メナード化粧品株式会社の本社で、NPO法人愛知こどもホスピスプロジェクトが主催した「ヨーロッパこどもホスピス視察報告会」が行われました。130名を超える参加者が集まり、対面およびオンラインでのハイブリッド形式により、多くの人々がこのイベントに参加しました。
この報告会では、イギリス、ドイツ、オランダにおけるこどもホスピス及びこども病院の視察結果が発表され、特に「こどもの尊厳」「ファンドレイズ」「ホスピスの設立条件」といったテーマを中心にディスカッションが行われました。参加者からは多くの意見や質問があり、活発な議論が繰り広げられました。
ヨーロッパ視察の背景
日本には約20万人の難病や重度障害を抱える子どもが存在し、そのうち約2万人は生命が脅かされる病気を抱えています。こうした環境の中で、多くの家族は「治るまで」と抑圧された生活を送っています。特に兄弟姉妹もまた、その影響を受けており、様々な心理的負担を背負っています。
イギリスはこどもホスピスが誕生した国であり、現在では50以上のこどもホスピスが設立されています。これにより、イギリスやドイツでは、こどもおよびその家族を地域で支える文化がすでに根付いています。今回の視察では、愛知こどもホスピスのメンバーたちが、こうした先進的な取り組みを日本の現場に生かすために学びを得ました。
視察報告の内容
視察報告では、副代表の新家と佐々木が現地の詳細を豊富な写真と共に共有しました。こどもたちの尊厳を重視したケアやホスピスマインドに基づく取り組みが、どのように地域に根付いているのかを見学した経験をもとに説明しました。
また、横浜こどもホスピスプロジェクトの田川代表理事が登壇し、運営中の「うみとそらのおうち」での実践例も紹介されました。
パネルディスカッション
次に行われたパネルディスカッションでは、田川様に加え、名古屋市こども青年局の守屋様も参加し、「愛知におけるこどもホスピスの未来」について議論されました。この時間も参加者からの質問が多く寄せられ、こどもホスピスに対する意義や課題について深い理解へとつながりました。
参加者からの反応
参加者たちからは、「感動的で学びが多かった」という感想が寄せられました。特に、ヨーロッパの事例を参考にしたいという声が多数あり、今後の活動に向けた意気込みが伝わってきました。「家族全体を支える体制が重要」との認識が浸透し、特に「きょうだい児」への支援の重要性が強調されました。
主催者の想い
今回の報告会は、柴原医療福祉財団や日本メナード化粧品株式会社の協力のもとで行われました。代表の畑中は、今後も重い病気を抱える子どもたちやその家族が充実した生活を送れるよう、取り組みを続けていく決意を述べました。
今後の情報
愛知こどもホスピスプロジェクトでは、2025年1月12日に「シブリングサポーター研修ワークショップ」を予定しています。詳細は公式ウェブサイトおよびインスタグラムで定期的にお知らせします。
このように、こどもホスピスの理解と支援を広める活動は着実に進んでいます。参加者一同、今後の展開に期待を寄せています。