飛騨市の茅葺き民家が再生へ!
岐阜県飛騨市の中央に位置する飛騨みやがわ考古民俗館。この館の中に佇む「旧中村家」という茅葺き民家が、地域の歴史と文化を守るための再生プロジェクトを進めています。150年の歴史を持つこの建物は、老朽化が進んでおり、現在は修復が急務となっています。
ふるさと納税で支えられた修復プロジェクト
飛騨市では、令和2年度からふるさと納税の寄附を募り、令和6年度までに6,000万円以上の寄附を集めました。この資金を活用して、令和6~7年度にかけて修復事業を進めています。まずは、傾いた基礎を修復し、建物を水平に戻すことに成功しました。これにより、以前は開閉が困難だったふすまや障子もスムーズに使えるようになりました。
茅葺き民家の魅力と必要性
「旧中村家」は、地域の伝統的な農家建築を象徴する貴重な存在です。明治初期に建設され、当時の生活様式や文化を伝える重要な施設として市の文化財にも指定されています。しかし、現状では屋根の傷みや地域の人口減少など、さまざまな課題に直面しています。「このままでは文化が失われる」との危機感から、ただの修復では終わらせず、地域の人々が集い交流する場所としての再生を目指しています。
曳家工法での基礎修復
今回の修復で注目すべきは、珍しい「曳家(ひきや)」という工法を用いた点です。これは建物をそのままの状態で横移動させる技術で、現存する貴重な文化財の修復には特に有効です。2024年9月には、約70トンもある「旧中村家」を40メートル移動させ、傾きが治された基礎を元に戻しました。
今後の展望と地域貢献
このプロジェクトは、2026年度からさらなる段階に進み、屋根の葺き替えや地域文化を学ぶためのワークショップなどを計画しています。将来的には、この場所が文化体験や交流の場となり、地域の人々に愛され続けることを目指しています。地域の未来を共に形作るために、ぜひ多くの方にご参加いただきたいと思います。
地域の皆に支えられて
飛騨みやがわ考古民俗館の学芸員、三好清超さんは「地域の皆さんと共に、文化財の保存と活用に努めていきたい」とコメントしています。修復工事が完了し、子どもたちが集まるイベントを通じて、地域の文化を未来に繋ぐ活動が始まります。文化財への寄附は、私たち一人ひとりの手でこの貴重な歴史を守る力となります。
現在、「旧中村家」再生プロジェクトの特設ページも開設されており、寄附の受付や進捗状況の報告が行われています。地域の未来を守るため、あなたの応援が必要です。
お問い合わせ
プロジェクトに関する詳細は、飛騨市教育委員会文化振興課までご連絡ください。電話0577-73-7496にて、お問い合わせを受け付けています。飛騨市の魅力を共につなぎ、未来に向かって進んで行きましょう。