国産檜材の地産地消サウナ「kupu sauna」が誕生

地産地消のサウナ「kupu sauna」の誕生

新たに登場した「kupu sauna」は、国産の檜材を使用した地産地消型サウナです。この製品は、100年間にわたり木工家具を作り続けてきたマルニ木工の新しい挑戦です。「kupu」とはフィンランド語で「ドーム」や「覆うもの」といった意味を持ち、サウナの形状もその名にふさわしいハーフドーム型を採用しています。

マルニ木工の理念

マルニ木工は1928年に創業し、「木とともに生きる」を理念に広島で家具を作ってきました。しかし、近年は北米やヨーロッパの資源価格が高騰する中で、日本の森林資源に目を向けることになりました。特に、豊富に存在する檜や杉を新たな形で活用するべく、「ONE SAUNA」との協業へと向かいました。

サウナの重要性

サウナは現代において「心と体を整える空間」として非常に重要な役割を果たしています。最近では、世界中のホテルや別荘でサウナが取り入れられ、そのデザイン性や快適性が注目されています。マルニ木工も家具製造の視点から、サウナに求められる様々な要素を追求しています。

プロダクトデザイナーによる関与

プロジェクトに参加した熊野亘氏は、フィンランドでの長期留学を経て、北欧のサウナ文化を体験したプロダクトデザイナーです。彼は木材の香り、触感、そして音の静けさを考慮し、サウナを「人生の質を高める空間」として再構築しました。「kupu sauna」は、ただ熱に包まれる場所ではなく、木と共に生きる豊かさを再発見するための空間として設計されています。

材料と構造

「kupu sauna」には奈良・吉野の檜を使用しており、日本の浴文化を支えてきた歴史があります。この木は、香りや触感だけでなく、時間が経つほどに美しさが増すことも特徴です。また、檜はフィンランドのサウナ材と近い特性を持ち、耐久性のある素材です。

伝統的なバレルサウナの形状を進化させたこのサウナは、熱を均等に伝えて蒸気を効率よく循環させることができる設計になっています。ハーフドーム型にすることで、利用者は上下の段を選んで自分に合ったサウナ体験ができるようになっています。

デザインと機能

「kupu sauna」のデザインは、環境と調和する美しさを持ち、従来のバレル型で生じていたデッドスペースを排除しました。また、さまざまなレイアウトにも対応でき、家具のように柔軟に使用できる点も大きな魅力です。

熊野亘と「ONE SAUNA」

デザイナー熊野氏は、サウナの温もりと居心地の良さを最大限に引き出すため、檜の香りや肌触りを意識した設計を行いました。「ONE SAUNA」は、日本におけるフィンランド式サウナを提案してきた企業であり、地域材を活かしたサウナの設計と施工に特化しています。

伝わるサウナ文化

今回の「kupu sauna」は、マルニ木工の技術と「ONE SAUNA」のノウハウが融合したものであり、木工とサウナの新しい形を示しています。このサウナからは、木材と人との関係を再考する機会を提供し、これからの生活に新たな喜びや静けさをもたらすことでしょう。日本の森の恵みを最大限に活用したこのサウナは、今後のライフスタイルに欠かせないアイテムになることが期待されます。